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2019年のベストアルバム by SUBLYRICS

35 BEST ALBUMS OF 2019 by SUBLYRICS

DECEMBER 30, 2019

2019年も残すところあと2日間だ。様々なアルバムがリリースされた中からSUBLYRICSによってベストアルバムとして35枚をコメントと共に紹介していく。

35 - 30

35. Little Brother / May the Lord Watch


ノースカロライナ出身、PhonteとBig Poohのベテラン2人組によるラップ・デュオLittle Brother(リトル・ブラザー)が8月にリリースした『May the Lord Watch』。今作品には9th Wonderは参加しておらず、個人的にも過去の全プロジェクトの中で最も素晴らしいとは言い切れないが、トラップ・ビート中心の音楽シーンでも貫いたクラシックなサウンドの中には未だ彼らのフレッシュさを感じさせる。

 

 

 

34. Gallant / Sweet Insomnia

メリーランド州出身、現在はLAを拠点に活動しているシンガーGallant(ガラント)が3年半ぶりにリリースしたセカンド・アルバム『Sweet Insomnia』。
6LACKとの表題曲は言わずもがな、彼の美しいファルセットが作品を通じて披露されている。” Forever 21 “や” Sleep On It “のような90年代後半〜2000年台前半のR&Bを感じさせる作品は彼がジャネット・ジャクソンやブランディなどに影響を受けていることを裏付ける。特に90年代・00年代のR&Bファンの方は、是非2019年にアップデートされた正統派R&Bをチェックしてみてほしい。

 

 

 

33. 2 Chainz / Rap or Go to the League

「ラップをするか、(NBAの)リーグに行くか」
貧しい地域・家庭で生まれ育った若者たち(特にアフリカン・アメリカン)がスターになるにはラッパーになるか、NBAプレイヤーになるしかない。というアメリカ社会全体を覆う苦悩をテーマにしたこの作品。
レブロン・ジェームズをエグゼクティブ・プロデューサーに迎え、ラップ、そしてバスケットボール両方のプロフェッショナルの観点からアメリカ社会のリアルを描いている。
サウンド面、フロウなどは前作『Pretty Girls Like Trap Music』とそれほど大きな変化は見られなかったが、税金などの社会的なテーマを用いたり、昨年結婚を果たしたことによる彼の中での意識の変化は顕著に見られた。
ゲストにヤング・サグ、ケンドリック・ラマー、トラヴィス・スコット、アリアナ・グランデ、タイ・ダラ・サイン、リル・ウェイン、チャンス・ザ・ラッパー、コダック・ブラックを迎え、それぞれで個性が発揮されたシンプルでありながらも聴きごたえ十分の作品だった。

 

 

 

32. Not Waving, But Drowning

1994年生まれ、サウス・ロンドン出身のラッパーLoyle Carner(ロイル・カーナー)が4月にリリースしたセカンド・アルバム。
アルバムのタイトルである『Not Waving But Drowing』は、スティービー・スミスの詩を引用した言葉。

“ 溺死した男についての記事を読んだんだ。
そいつの仲間は、彼が手を振っていると思っていた。
でも本当は溺れていたんだ。 “

「他人から見た姿・外見が、どんなに元気に見えても、心の中は死ぬほど辛い」という状態を表現しているのがこの言葉で、誰にも理解されない心の孤独・苦しみを抱えながらも、生きていくには、元気に振舞わなければならない社会の辛さを表現している。
彼自身もADHD・難読症を抱えていて、詩と同じ経験をしていることがこのアルバムのテーマとなっていて、このような苦しみを抱えている多くの人に自身のストーリーをベースにしながら寄り添うような優しい言葉を語っている。サウンド面では前作と大きく変化することはなかったが優れた作品であることに違いない。

 

 

31. Kindness / Something Like a War

UK・ピーターバラ出身、現在はロンドンを拠点に活動しているシンガー / プロデューサーKindness(カインドネス)
ブラッド・オレンジ、ソランジュの作品にプロデューサーとして参加してきた彼の5年ぶりのニューアルバムはその経験を存分に活かしたプロジェクトになった。ジャズミン・サリヴァン、ロビン、コシマ、バハマディアといった様々なゲストを迎えながらダンス・ミュージックとR&Bを織り交ぜた自身のサウンドに上手く取り込む形に仕上げている。
この作品には彼のアーティスト名通り「優しさ」を感じさせるような心地良い楽曲もあれば、心が弾むような軽快な楽曲もある。オーケストラのアレンジが適所に散りばめられている上品さも彼ならではだろう。

 

 

30. Young Thug / So Much Fun

アルバムのタイトルから彼の意思は明確である。
さすがヤング・サグというところだが、「とにかく楽しむ」というテーマの前では、このベテランとゲスト陣のラップはナンバーワンだ。かく言う私も、ビート、そして彼のラップを聴いて自然と笑みがこぼれてしまった1人だし、多種多様な頭から離れないメロディ、曲中に登場する掛け声 / バッググラウンド・ヴォーカルを聴けば、盛り上がらずにはいられない。

 

29 - 25

29. JPEGMAFIA / All My Heroes Are Cornballs

バルティモア出身のアーティストJPEGMAFIA(ジェイペグマフィア)の3枚目のスタジオ・アルバムはタイトルからも想像されるように正統派な「ヒーロー」へのアンチなマインドを込めた作品になっている。「Cornball」はダサい、田舎くさいという意味だ。
全体を俯瞰すると断片的なサウンドを繋ぎ合わせたエッジの効いた作品であるが、所々どこかで聞き覚えのある「聴きやすい」「耳に馴染みのある」パートも登場する。彼が正統派を否定する立場でこの作品を製作しているのであれば 彼が以上のようなパートを披露するのは「馴染み深いサウンド」、悪く言えば「古臭いサウンド」を揶揄しているようにも思える。
6曲目の“ Rap Grow Old & Die x No Child Left Behind “はその代表例だろう。1:00〜が過ぎた後に登場するパートは2000年代前半〜流行したポップ・パンクを思わせる。今聴くと懐かしくも、少々古臭い、田舎くさいと言わざるをえないサウンドだろう。
4曲目“ JPEGMAFIA TYPE BEAT “はそんな彼のアンチな姿勢をわかりやすく表現した作品だろう。曲の序盤で「You think you know me – お前は俺のことを知った気になっている」 というセリフが入るように、” TYPEBEAT “で彼は世間一般でイメージされる自身のイメージを揶揄しているように思える。
どこまで彼の考えが巡らされているのかはわからないが、ついつい考えさせられてしまう作品だった。

 

 

28. Kofi Stone / Nobody Cares Till Everybody Does

UK・イーストロンドン生まれ、バーミンガム育ちのラッパーKofi Stone(コフィ・ストーン)をご存知だろうか。
同郷のロイル・カーナーや、エディ・スレイマンとも交友の深いラッパーは、自身の音楽はナズやコモンから影響を受けていると語っていることからもわかるようにBoom-Bapを軸に90年代のクラシックなヒップホップを継承したサウンドを見せる。
デビュー・アルバムとなる『Nobody Cares Till Everbody Does』は派手な仕上がりとはいえない。彼は自身の才能や、名声を誰かと比べることはせず、等身大の正直な想いをジャジーなサウンドに乗せ語り続ける。

“ I’m in some dirty Air Forces, keep it stepping until my mother pay the mortgage.
俺はこの汚いエアフォースを履き続ける。ママがローンを返済するまではさ。”

私たちに寄り添ってくれるような温かく、心地よい作品であ理、今後さらに彼の人気は高まっていくだろうと確信させてくれた。エディ・スレイマンを迎えた” Talk About Us “がイチオシ。

 

 

27. Sam Wise / Sorry You Were Say

ロンドン出身、もしくはロンドンを拠点に活動するアーティストの躍進は今年のハイライトの一つだろう。
ストームジー、スロータイ、ロイル・カーナー、デイヴ、スケプタ、AJトレイシー、リトル・シムズ、ヴィーガン、オクタヴィアンなど多くのアーティストの作品が世界中で聴かれた一年だったように思う。サウス・ロンドン出身、現在22歳のラッパーSam Wise(サム・ワイス)もその1人である。
11月にリリースした『SYWS』は、USのトラップと、UKの特徴的なアクセント、グライムのサウンドがブレンドされた作品。どちらのジャンルにも寄りすぎることのないユニークさを見せてくれる。

 

 

26. Burna Boy / African Giant

2019年は多くのナイジェリア出身のアーティストの音楽が世界中の人の耳に届いた年だっただろう。中でもUKを第2の拠点としたBurna Boy(バーナ・ボーイ)の発したアフロ・ポップはR&B、ヒップホップの影響を受けていること(彼はアフロフュージョン・サウンドと呼んでいる)もあり、世界中に無数にいるラップ・ファンたちにも受け入れられたのだろう。私もその1人だ。
Apple Musicにて「ワールド」という音楽ジャンルを設定されていることからもわかるように、彼の音楽はアフリカ、そしてナイジェリアというルーツを持ちアフロ・ビーツを主軸としながらも、ジェレマイ、フューチャー、ジョルジャ・スミス、YGというゲストを迎え、US・UKの音楽が混ざり合った
複雑な折り合いと包括性を見せる。世界的に広がりを見せるのも納得だ。

 

 

25. IO / Player’s Ballad

東京・世田谷を拠点に活動するヒップホップ・クルーKANDYTOWN(キャンディタウン)のメンバーで、ラッパー、アート・ディレクターとしても活躍するIO(イオ)
Def Jamと契約を果たして以来、初となる今作はKANDYTOWNの面々に加え、5lackも参加し、過去2作と同じく哀愁漂う作品になっている。
ソウルフルかつ都市の雰囲気を纏ったアーティストはKANDYTOWNのメンバーとしてもインタビューなどにあまり登場せず秘密に包まれている。しかし、ファースト・スタジオ・アルバムとなる今作で自らの個性、ユニークさを確立させたようにも思える。オートチューンを用いたメロウで繊細なサウンドを全面に押し出しながらも、「男らしさ」を同時に持ち合わせる絶妙なバランスが非常に魅力的だった。KANDYTOWNのメンバー・プロデューサーのNeetzのスタジオにIOが記した「Koolboy – 10のルール – 」という張り紙が貼ってあるように、IOの作品には明確に彼ならではの美学とアイデンティティを感じる。

 

24 - 20

24. Santi / Mandy & The Jungle

Burna Boyに引き続きナイジェリア出身のアーティストSanti(サンティ)
ドレイクに影響を受けていると語っていることもあり、アルバム全体に落とし込まれたトロピカルなビートは軽快で非常にスムース。ドバイ出身のラッパーSekiを迎えた“ Diamonds / Where You Been “を聴けば彼がいかにトラップ・ミュージックに影響を受けているかがわかるだろう。

 

 

23. Polo G / Die A Legend

イリノイ州シカゴ出身、現在20歳ながら” Pop Out “、” Finer Things “などの大ヒットを生み出してきたラッパーPolo G(ポロ・G)
そんな彼が生まれ育ったのは、シカゴの中でも特に治安の悪いノースサイドのプロジェクト Cabrini Green(カブリーニ・グリーン)。低所得者が多く暮らす、高く横にも長いマンション型の住宅の周りには、犯罪や銃撃事件が絶えなかったそう。
デビュー・アルバム『Die A Legend』ではそんな地元・フッドから飛び出し、ラップで成功して「ギャングを養ってやる」「大金でフッド全体を買い占める」とリリック中で語る。

当メディアで過去に紹介したように彼はフッドの歴史、現状を理解した上で、どうすればフッドがより良くなっていくかを深く考えている。

” 待つだけでは何も変わらない。自分たちで状況をコントロールしないと。”

キャッチーなメロディ、ラップのスキルは言わずもがな、フッドの残酷な過去、現状を映し出しながら、より良い未来を夢見る20歳のリアルと、希望が垣間見える作品だった。

 

 

22. Jamila Woods / LEGACY! LEGACY!

収録曲のタイトル全てに偉人の名を冠したJamila Woods(ジャミラ・ウッズ)の3年ぶりのセカンド・アルバム『LEGACY! LEGACY!』。
ジャズ・アレンジャー、作曲家、詩人のサン・ラーや、グラフィティ・アーティストのジャン・ミシェル・バスキアなどを引用し、彼女はそれらの人物と自身との結びつきを語っている。

“ (Are you mad?) Yes, I’m mad
(怒ってるの?)ええ、怒ってる
(What make you mad?) I can’t recall
(何に怒ってるの?)思い出せないわ
I plead the fifth, writing’s on the wall
黙秘権を行使するの、不吉な予感ね(壁に描かれたペイントというワードはバスキアがグラフィティ・アーティストであることから)- BASQUIAT “

これはノースカロライナのラプソディーしかりであるが、彼女たちは引用する人物に対し100%の敬意を払い、愛情を存分に込めた上で、自身と偉人たちとの「繋がり」を探り、自らの自信を高めている。同じ(似た)出自の偉人たちからインスピレーションを受け、セルフ・エスティーム(自尊心)へ変換させているこの作品は多くの女性、アフリカン・アメリカンへ同じように勇気を与えることだろう。

 

 

21. Denzel Curry / ZUU

フロリダ州出身、現在24歳のラッパーDenzel Curry(デンゼル・カリー)
今作『ZUU』は前作『Ta13oo』で扱った「憂鬱・痛み・恐怖」などのネガティブかつダークな雰囲気とは大きく異なり、フロリダというルーツから強く影響を受けたギャングスタ・ラップを感じさせるサウンドとスタイルを見せつけた。激しく畳み掛けるような彼の迫力あるラップとの相性の良さは言うまでもないだろう。
“ RICKY “では両親からもらった教えを、” BIRDZ “では何も恐れない自信を、” SPEEDBOAT “では仲間の死を語るように、この作品で彼が根ざしたのはマイアミのストリートだ。客演に迎えたリック・ロスや、サム・スニークはマイアミ出身であるし、アルバムのタイトル『ZUU』は彼のフッド、Carol Cityのニックネームである。

 

 

20. Rapsody / Eve

ノースカロライナ出身のラッパーといえば、J.コール、リトル・ブラザー、ルート、最近だとダ・ベイビーも思い浮かぶが、スノーヒル出身のラッパーRapsody(ラプソディー)も同じくNCをレペゼンするアーティストだ。
ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』に参加したことでも話題になったラッパーは8月にロック・ネーションから『Eve』をリリースしている。
“ Nina – ニーナ・シモン “、“ Aaliyah – アリーヤ “、” Serena – セレーナ・ウィリアムス “、” Michelle – ミシェル・オバマ “といったように収録曲のタイトルは全て著名なアフリカン・アメリカンの女性の人物名を用い、敬意を払いながらそれぞれに関連するリリックの引用、サンプリング、ルーツを引用し、パワフルに女性を鼓舞している。作品のテーマとマーク・バード、9th Wonderのプロデュースのビートの相性も間違いない。

19 - 16

19. Baby Keem / DIE FOR MY BITCH

ラス・ベガス出身、未だ19歳の若き才能Baby Keem(ベイビー・キーム)がリリースしたセカンド・アルバム『DIE FOR MY BITCH』。
TDE(Top Dawg Entertainment)のメンバーとの交友も深く、昨年リリースされたジェイ・ロック『Redemption』や『Black Panther : The Album』にプロダクション面(主にライティング)で参加。今年に入ってからもスクールボーイ・Q『CrasH Talk』、『The Lion King』に参加するなど、業界からの期待もさすがの一言だ。この作品でもその才能を遺憾なく発揮している。
このプロジェクトを一聴してまずわかるのが彼がいかに多才であるかだ。ケンドリック・ラマーのような柔軟なフロウとハイトーンな声を見せたかと思えば、ヘヴィーなビートを軽快に乗りこなすスクールボーイ・Qのようなリズム感も持ち合わせていることを見せる。驚くべきは10曲目” MY EX “だ。他の収録曲とは一風変わったアコースティック・ギターをベースにしたビートに乗せ、彼はまさに「歌い」上げている。楽曲へのアプローチという点で彼が本当に「なんでもできる」ということを感じさせられた。
今作は少しキャッチーな楽曲が少なかった印象はあるが、収録曲の半数以上のプロデュースに参加している上に、大物ラッパーから引く手数多な彼のその多才さを鑑みれば、スターになるのに足りない要素は多くないだろう。

 

 

18. Daniel Caesar / CASE STUDY 01

カナダ出身、デビュー・アルバムが大ヒットを果たしたDaniel Caesar(ダニエル・シーザー)のセカンド・アルバム。各メディアを見ても「良い」とは言えない評判は受けているのは大ヒット作である前作が基準となってしまっているからなのかもしれない。
1曲目“ ENTROPY – 無秩序・崩壊 “で「原爆の父」と呼ばれる科学者ロバート・オッペンハイマーのインタビュー音声をイントロに携えたことからもわかるように、この作品は甘いラブソングの一面を持ちながらも、科学的・哲学的・死生観といったテーマを扱っている。

I remembered the line from the Hindu scripture, the Bhagavad-Gita
Vishnu was trying to persuade the prince that, he should do his duty
And, to impress him, takes on his multi-armed form, and says, “Now I am become death, the destroyer of worlds.”

ヒンドゥーの教えを思い出したんだ。バガヴァッダ・ギーターだよ。
ヴィシュヌは王子を説得しようと必死だった。彼は自分の責務を果たすべきだから。心を捉るべく、彼は4本の腕を持っているんだ。
そして彼はこう言った「私が死なのだ。世界の破壊者だ。」と。

地球ではない異世界(彼は宇宙服を着ている)を描いたティーザーのように別世界に私たちをトリップさせるような43分間であり、女性への想いを綴った“ ARE YOU OK ? “などのリリックの比喩的な描写も素晴らしかった。

 

 

17. Roddy Ricch / Please Excuse Me for Being Antisocial

言葉遊びをリル・ウェインから、ライフスタイルを曲に取り入れる方法をフューチャーから、メロディ、音楽に言葉をどう乗せるかの方法をヤング・サグから、それぞれを参考にしていると語るのはカリフォルニア州・コンプトン出身、現在21歳のラッパーRoddy Ricch(ロディ・リッチ)だ。
亡きニプシー・ハッスルと共にグラミー賞ノミネートを果たし、実績も手に入れた彼が満を辞してリリースしたデビュー・アルバムは彼のシリアスな姿勢を声高々に宣言した作品だ。
「社交的じゃないが許してくれ」というアルバムのタイトルはまさにその精神を表現している。どんなにリッチになろうとも、ストリートに生きる若者の1人として決して浮かれることなく、自身、そしてストリートのありのままの姿を語り続けている。

詳しい作品の概要は先日、デビュー・アルバム『Please Excuse Me for Being Antisocial』に関するコラムを掲載したばかりなので、是非そちらをチェックしてほしい。

 

 

16. Freddie Gibbs & Madlib / Bandana

5年ぶりに帰ってきたMC、Freddie Gibbs(フレディ・ギブス)と、レジェンド・プロデューサーMadlib(マッドリブ)のジョイント・アルバム。前作『Pinata』で2人の相性の良さは証明されたわけだが、今作もフレディの切れ味抜群のラップと、マッドリブの上質なビート(全曲iPadで製作したそう)が十分に発揮されている。
過去の作品ではギャングスタ・ラップをベースに、リアルなストリート・ライフを語っていたフレディだったが、” Practice “の2ヴァース目では、今の自分にとってより良い道を選ぶこと、ストリートから離れることの重要性を語っている。

How I’m gonna break up with the streets?
I got the questions but I can’t find the answers

どうやったらストリートと別れることができる?
その質問は理解してる、でも答えが見つけられない。

サウンド面、フレディの力強いラップ、カルチャーに根付いた言い回しがいかにクールであるかは言わずもがな、こういった意識の変化が見られたことも個人的には素晴らしかったように思う。ソウルフルなアンダーソン・パークのコーラスやプシャ・Tのヴァースもアルバムに完璧にハマっていた。

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