Sam Wise サウス・ロンドン出身、現在22歳のラッパーSam Wise (サム・ワイス) は、同じくロンドンのヒップホップ・コレクティブHouse of Pharaohsの一員だ。グループだけでなくソロでの製作活動も活発に行っている。
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ロンドンのグライムMC、JMEがツイッターにてサムが2017年に発表した楽曲” Rack Up “をアップロードしたことでその存在が知り渡った彼、その話題は一時的なものでは終わらなかった。 今年11月29日にファースト・プロジェクト『SYWS (Sorry You Were Saying)』をリリースしたばかりの彼はこう語る。
“ 俺は実践をすることで多くを学んでる。昔のリリックを見ると笑っちまうよ。今のようにスムースにライムできていないからさ。 でもそこには自分の辿ってきた道と、何を克服したかが表れてる。リリックは書くたびに良くなるし、他のアーティストの作品を聴いたりして、影響をもらって、それを自分のものにしてるんだ。 ”
1997、98年生まれの彼らは未だスターダムを手に入れてはいないが、いづれエイサップ・ロッキー、そしてエイサップ・モブのような世界的なラッパー、コレクティブになるポテンシャルを持っている。多くを学び、日々影響を受けながら大きく成長する彼/彼らはその期待を抱かせる。
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Ant Clemons カニエ・ウエストが直近でリリースした2作品『ye』と『Jesus Is King』のどちらにもゲストとして参加しているAnt Clemons (アント・クレモン) とは何者なのか。 ジェレマイ、タイ・ダラ・サイン、プシャ・T、ケニー・Gなど錚々たる面々がクレジットされる中にニュージャージー州出身のシンガーは文字通り「抜擢」された。
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ティヤナ・テイラー『KTSE』、YBNコーデー『The Lost Boy』などにリリックを提供するなど2年ほど前からソングライターとしての活動を主としていたことから、未だ自身のリリース作品はシングル2曲のみになるが、今後まとまっとプロジェクトが公開されるのが本当に楽しみだ。 今回紹介するのは12月4日にリリースされたばかりの” Excited “。
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Emeryld ダラス出身、現在22歳のEmeryld (エメリルド) は今年5月にデビューEP『Young』をリリースしたばかりのシンガーだ。
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フランク・シナトラ、エリカ・バドゥ、シャーデーなどに影響された若きシンガーはインディペンデントに作品を作り続けている。
“ このプロジェクトは私にとって特別よ。今まで手がけてきたお気に入りの曲を体現してる。 私が憧れ続けてきた素晴らしいミュージシャン、アーティスト、プロデキューサーたちと共演も出来て本当に光栄よ。 この作品にで、愛情、セックス、独立、若さ、22歳として生きている今の生活が描かれているわ。 – FLAUNT “
彼女はデビューEPながら、この作品でアトランタ出身のヒップホップ・デュオEARTHGANG (アースギャング) をゲストに、プロデューサーには6LACK、Roy Woods、Kehlani、Basなどを手がけるDZLを迎えている。なぜ彼女がそれまでまでに有名アーティストたちと共演ができるのか。 この作品を聴けば、彼女の生み出すリズム、フロウ、何よりその美しい歌声が説明してくれる。
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Pink Siifu LAを拠点に活動するラッパーPink Siifu (ピンク・シーフ) 。 Iiyeという肩書きでビートメイカーとしても活動するなど様々な顔を持つ。
“ Pink Siifuという名前は、俺の持っていたShaw Brothersのバッグと、当時俺がカンフー映画の動きを真似していたことに由来するんだ。 広東語で教師は” siifu “で、お気に入りのカラー + Siifu をつなぎ合わせたんだよ。- DJ Booth ”
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そんな彼はすでに2018年に25曲が収録されたアルバム『ensley』をリリースしている。 タイトル『ensley』は彼の祖母が住んでいたアラバマ州バーミンガムの街から。彼はこの作品で自身の幼い頃、そのルーツをビートの上で語る。
“ Pops tired I told him chill When I get it, he can throw away the bills
父さんは疲れてた。 リラックスしてくれと彼に伝えて、 上手くいくと、彼は金を渡してくれた。- “ outlet “ ”
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26歳ながら未だ正式なデビュー・アルバムをリリースしていない彼。しかしアンダーソン・パークが30歳を過ぎ、初めてヒットソングを生み出したことを考えれば、ヒットソングを生み出すのに年齢は関係ない。
アール・スウェットシャツ『Some Rap Songs』を思わせるアブストラクトな作風は前回Vol. 1にて紹介したMAVIにも共通しているが、彼らのようなラッパーたちが今後いわゆる「ラップ・ゲーム」とは異なる場所で、新たなラップ・ソングの形を生み出していくのではないだろうか。
Larry June 1991年生まれ、カリフォルニア州サンフランシスコ出身のラッパーLarry June (ラリー・ジューン)。 2015年に初めてミックステープを公開して以来、4枚のミックステープ、7枚のアルバム、計11枚もの作品をリリースしてきた。 今年だけで5枚ものアルバムをリリースするなど、そのとてつもない制作スピードは驚きだが、それだけでなく彼は自身で「The Free Minded」というレーベルを立ち上げ、常に作品をセルフリリースしている。
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ほぼ全ての作品をデジタル・ダウンロードのみという形式で配信し続けるという「今らしい」形で活動を続ける彼は、2016年にポスト・マローン” Never Understand “にゲスト参加、マイアミで開催されるローリング・ラウド2019にも参加するなど、インディペンデントな姿勢を貫きながら着実にその階段を登っている。
“ インディペンデントでいることで自分の作品に対して100%でいられるんだ。もし既に強固なファンベースを獲得しているなら、100%変わらないよ。もう2度とメジャーとサインすることはないだろうね。 – Revolt ”
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“ まずは家族を何不自由なく生活させるのが直近の目標だ。 – Revolt “
二人の息子と二人の娘を支えながら音楽活動を行う彼のニューアルバムはCash Fargo、Carboなど一流プロデューサー揃い。過去にドラッグ・ディールに手を染めながら生きてきた過去を語りながら、ラップで生計を立てていくことを目標にする彼の作品に注目だ。
Blackwave. ベルギー、アントワープを拠点に活動するラップ・デュオBlackwave. (ブラック・ウェーブ) 。 二人組グループはベルギーという場所からインターネットを通じてその人気を拡大させている。
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ここまで紹介してきたラッパー、現行のラップ・シーンで流行っているサウンドとは少し異なり、彼らの作品はThe RootsやMos Defなど90年代のクラシックなヒップホップ / ラップ・サウンドを継承している。
今年11月にリリースしたアルバム『Are We Still Dreaming?』のジャケットをチェックすれば、彼らがいかに90年代のバイブスを愛しているかは伝わってくる。彼らの最新作はどのような作品に仕上がっているのだろうか?
“ タイトルの『Are We Still Dreaming?』は俺たちが経験してきた、身の回りに起こった出来事や成功がまるで夢のようで、俺たちが未だににわかに信じがたいと感じていることを表してる。 – Genius ”
このアルバムの先行シングル” Elusive “はYoutubeにて50万回再生を超え、コメント欄はアメリカ、UK、ヨーロッパ諸国からのコメントで溢れている。 ベルギー国内で開かれた大規模フェス「Gent Jazz Festival」にも登場するなど彼らも手にし始めた成功を「夢のようだ」と語る。 元々メンバーのJay Walker(ジェイ・ウォーカー) 、Willem Ardui(ウィレム・アードゥイ) の二人もインターネットを通じて出会ったそうで、インターネットの掲示板で集まったBROCKHAMPTONしかり、今後彼らのようなアーティストがスターダムを掴むのは当然珍しくないだろう。
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