Deante-Hitchcock

The Prelude Press

Deante' Hitchcock とは
「フリースタイルの男」から、もっと高い場所へ

May 24, 2020

音楽のキャリアを追求するために地元ジョージア州のGeorgia Southern University を中退したラッパーDeante Hitchcock(デアンテ・ヒッチコック)は「Car Freestyle」によって、その存在を知らしめ、キャリアの足がかりを手に入れた。2016年、彼にとっては3枚目のミックステープをリリースした頃だった。しかし彼は今、自身を導いてくれたフリースタイルというハシゴを畳み、さらに高い場所へと昇っていこうとしている最中だ。

2017年、RCA Records 系列のByStorm Records と契約を果たし、これまでに5枚のEPを公開。GoldLink や、H.E.R. など同世代のアーティストをゲストに迎えながら着実に自身の音楽を広め、キャリアを築き上げてきたラッパーが先日(5/13)、ついにデビュー・アルバム『Better』をリリースした。2016年にリリースしたミックステープ『Good』の続作とも言える今作で彼は、「Car Freestyle で有名なラッパー」というカテゴライズを過去のものにしている。

また、今作、そして彼が注目を浴びた理由の一つに、J.Cole 率いるDreamville のコンピレーション・アルバム『Revenge of the Dreamers Ⅲ』への参加が挙げられる。J.Cole と比較されることもある彼にとってスター達との制作はどんな経験になり、どんな影響を受けたのだろうか。デビュー・アルバム『Better』、ここまでのキャリア、そして『ROTD3』の制作について語ったインタビューから、最新アルバムと、今後のキャリアについてを紐解いて行こうと思う。

あなたが初めに注目を手にしたのはインスタグラムでのフリースタイルだよね。ああいった動画を投稿し始めた時、ラップは趣味だったの?それとも最初からラッパーとしてのキャリアを志していた?

間違いなく、キャリアが最終目標だったね。大学を中退したし、俺に興味があるのは音楽だけだったから。 – ONES TO WATCH

『BETTER』は過去の作品とは、どんな部分が異なってる?

今の俺は他のプロジェクトを作った時とは同じ人間ではないから、音楽もそれを自然に反映してる。「今の自分になろう」と思ったわけじゃないけどね。自分自身の変化がそのまま鏡のように写っていると思うよ。– ONES TO WATCH

アトランタと聞くと、ついFuture のような「トラップ・ハウス」発の作品を思い浮かべがちだが、彼の作品は特定のジャンルには囚われていない。

最新アルバムではYoung Nudy, JID ら同郷出身のラッパーを迎え、弾けるようなスネアの上でフレッシュなフロウをしたと思えば、Miguel にフックを任せた「Flashbacks」では、Outkast の「Elevators」を思わせるような音数の少ないスローかつメロウなビートの上で優しく語りかける。その直後の6曲目の「Gimme Yo Money」ではダーティ・サウス / クランク的なビートの上でYung Baby Tate と共に「ケツを振って金を稼ぐ」とシャウトする。この冒頭数曲で彼がいかに多才かはすぐに理解できるはずだ。こういった多彩な音楽的影響も感じさせる彼だからこそフリースタイルではなく「作品で評価されたい」と強く感じているのは頷ける。

あなたは長い道のりを歩んできたよね。あなたは「ただのラップが上手いやつとは覚えられたくない」と過去には語っていて、「作品」でみんなの記憶に残ることを望んでると思う。『Better』ではどんなレガシーを残したいと思ってる?

まずはこの作品が俺の基盤となることを祈ってる。Dreamville のセッションに行った時も、俺はその場にいる人を全員知っていたけど、彼らは俺を知らなかった。もし知っていたら「おぉ、お前知ってるぜ。車でフリースタイルしてた奴だ。」なんて言われると思うけど、俺はそんなの望んでない。

あれはあれで楽しかったし、今でもやることはあるけど、もっと幅広い、もっと大きなものになりたかったんだ。俺が見上げるようなLil Wayne やAndre 3000、Jay-Z、J.Cole のような人にね。

ステージに上がって、観客はみんなこっちを見てる「クソ、最高だけど、俺の曲を知らないから交流なんて出来やしない」っていうのが自分の中で引っかかっていて。それも勿論好きだけど、それ以上の経験がしたいんだ。観客のみんながコール&レスポンスができるくらいにね。「俺もこのライブの一部なんだ」って思って欲しいんだ。他のことは出来るし、バトル・ラップだって出来る。それでも、俺は今ハシゴ(成功への階段)を欲してる。 – MEDIUM

JID とのツアーの時もそれを意識してたのかな?あのコンサートは本当にインタラクティブだったから。それ以来、作品へのアプローチを変えたの?

まさにそうだね。俺と彼でその話をしてね。確かJ.Coleの「4 Your Eyez Only」ツアーの時だったと思う。その時、初めてCole にも会ったんだ。そこでJID と同じ内容の話をしててね。どんな風に作品をシフトしていくかって話さ。リアルで、リリカルなストーリーを伝えようとすると「クソ、最高だけど、観客は反応できない。彼(J.Cole)とは同じレベルで観客と作品を共有することができないんだ」ってね。

だからツアー中にJID とスタイルを変えることについて、何時間か話し合って。もっとコール&レスポンスができるような、もっとソウルフルで、直感的なもの、みんなが肌で感じられる曲を作ろうとね。 – MEDIUM

彼がラッパーとして素晴らしいスキルを持っているのは、彼含め多くの人が理解している。ただ、彼が今目指すのは、ただ聴かせる音楽ではなく、みんなが参加できるような作品だ。J.Cole はまさにその空気を実現させている点でも彼のロール・モデルとなっているようだ。

J.Cole からの電話はあなたにとって重要な出来事だったと言っていたね。確かにただの電話じゃなくて、Dreamville の面々と一緒にアルバムを作るお誘いだったわけだもんね。彼らとのスタジオ・セッションからの学びはあった?

学ぶことは本当に沢山あったよ。与えられるものも沢山あったけどね。
J.Cole は2009年からずっと見てきた。時が経つにつれて、彼が名声を確固たるものにする様子を見てきたから、遠くからでも学ぶことは沢山あったんだけどさ。彼の近くにいて特に学んだことは、彼の動きや仕事っぷりにつきるよ。最高のレガシーだ。結局200人以上で、俺たちは全米一位を手に入れた。俺たちの最初のプラチナムだ。そして初めてのグラミー・ノミネート。全てがその場のアイデアが元になってるんだ。彼らの動き全てを見ることができて、しかも、その一員になれて、リアルで素晴らしい瞬間だったよ。 – MEDIUM

あなたは2016年にリリースした『Good』以来、今回の『Better』の制作に取り組んできたんだよね。そして、それはトリロジー(3部作)の始まりでもあった。フィナーレの『Best』に向けて、サウンド面で考えていることはある?

サウンド面ではないかもしれないけど、『Best』は最後の作品になるかもね。勿論、それまでに他の作品を出すつもり。『Best』を次の作品にする予定はないよ。というのも、俺はあと少なくとも10年はラップをやりたいから。10年経ったらやめるよ。島にでも行って子供の成長を見ながら引退しようかな。けど、今はまさに10年のうちの1年目だ。今年から始まると思ってる。だからまだ『Best』がどんなサウンドになるかはわからないね。最高の作品なることは間違い無いけどさ。– MEDIUM

『Better』を聴く前に知っておいて欲しい、一番大事なことは?

ワッフルはパンケーキよりも最高だってこと。ワッフルは何においてもパンケーキよりも上手くデザインされてるんだ。ファッションや形状がね。ワッフルはシロップを注ぐためのポケットがあるんだぜ。このアルバムは俺なりの性格テスト。もし君がワッフルよりパンケーキが好きなら、この作品は向いてないね。– ONES TO WATCH

彼はシロップを注ぐ凹を持つワッフルのように、作品を一方的なものではなく、リスナーが直感的に感じ、参加できるような曲作りを行なっている。残念ながらコロナ・ウイルスの拡大に伴い、リアルにコミュニケーションの取れるライブ・イベントの開催は難しいかもしれない。しかし、デビュー・アルバム『Better』は彼にとって、まだ「1年目」の作品だ。間違いなくDeante は更なる高みへと新たなハシゴをかけ、登り続けてくれることだろう。

“ わかってる。俺はいくつもの出来事を乗り越えた。
だけど、まだここにいる。
傷と痛みを乗り越え、恐怖も克服して
俺はもっと成長しないとダメなんだ – Growing Up “

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