音楽のキャリアを追求するために地元ジョージア州のGeorgia Southern University を中退したラッパーDeante Hitchcock(デアンテ・ヒッチコック)は「Car Freestyle」によって、その存在を知らしめ、キャリアの足がかりを手に入れた。2016年、彼にとっては3枚目のミックステープをリリースした頃だった。しかし彼は今、自身を導いてくれたフリースタイルというハシゴを畳み、さらに高い場所へと昇っていこうとしている最中だ。
2017年、RCA Records 系列のByStorm Records と契約を果たし、これまでに5枚のEPを公開。GoldLink や、H.E.R. など同世代のアーティストをゲストに迎えながら着実に自身の音楽を広め、キャリアを築き上げてきたラッパーが先日(5/13)、ついにデビュー・アルバム『Better』をリリースした。2016年にリリースしたミックステープ『Good』の続作とも言える今作で彼は、「Car Freestyle で有名なラッパー」というカテゴライズを過去のものにしている。
また、今作、そして彼が注目を浴びた理由の一つに、J.Cole 率いるDreamville のコンピレーション・アルバム『Revenge of the Dreamers Ⅲ』への参加が挙げられる。J.Cole と比較されることもある彼にとってスター達との制作はどんな経験になり、どんな影響を受けたのだろうか。デビュー・アルバム『Better』、ここまでのキャリア、そして『ROTD3』の制作について語ったインタビューから、最新アルバムと、今後のキャリアについてを紐解いて行こうと思う。
あれはあれで楽しかったし、今でもやることはあるけど、もっと幅広い、もっと大きなものになりたかったんだ。俺が見上げるようなLil Wayne やAndre 3000、Jay-Z、J.Cole のような人にね。
ステージに上がって、観客はみんなこっちを見てる「クソ、最高だけど、俺の曲を知らないから交流なんて出来やしない」っていうのが自分の中で引っかかっていて。それも勿論好きだけど、それ以上の経験がしたいんだ。観客のみんながコール&レスポンスができるくらいにね。「俺もこのライブの一部なんだ」って思って欲しいんだ。他のことは出来るし、バトル・ラップだって出来る。それでも、俺は今ハシゴ(成功への階段)を欲してる。– MEDIUM
学ぶことは本当に沢山あったよ。与えられるものも沢山あったけどね。 J.Cole は2009年からずっと見てきた。時が経つにつれて、彼が名声を確固たるものにする様子を見てきたから、遠くからでも学ぶことは沢山あったんだけどさ。彼の近くにいて特に学んだことは、彼の動きや仕事っぷりにつきるよ。最高のレガシーだ。結局200人以上で、俺たちは全米一位を手に入れた。俺たちの最初のプラチナムだ。そして初めてのグラミー・ノミネート。全てがその場のアイデアが元になってるんだ。彼らの動き全てを見ることができて、しかも、その一員になれて、リアルで素晴らしい瞬間だったよ。– MEDIUM
サウンド面ではないかもしれないけど、『Best』は最後の作品になるかもね。勿論、それまでに他の作品を出すつもり。『Best』を次の作品にする予定はないよ。というのも、俺はあと少なくとも10年はラップをやりたいから。10年経ったらやめるよ。島にでも行って子供の成長を見ながら引退しようかな。けど、今はまさに10年のうちの1年目だ。今年から始まると思ってる。だからまだ『Best』がどんなサウンドになるかはわからないね。最高の作品なることは間違い無いけどさ。– MEDIUM
『Better』を聴く前に知っておいて欲しい、一番大事なことは?
ワッフルはパンケーキよりも最高だってこと。ワッフルは何においてもパンケーキよりも上手くデザインされてるんだ。ファッションや形状がね。ワッフルはシロップを注ぐためのポケットがあるんだぜ。このアルバムは俺なりの性格テスト。もし君がワッフルよりパンケーキが好きなら、この作品は向いてないね。– ONES TO WATCH