Crown

Album : 『Heavy Is The Head』
Year : 2019
Produced by :  

Written by K-TA SZK

Edited by SUBLYRICS

2017年にデビュー・アルバム『Gang Signs & Prayer』をリリース、『The BRIT Awards』では「英国ソロ男性アーティスト賞」に加え、「年間最優秀英国アルバム賞」を受賞するなどUKグライム・シーンを代表するMC・Stormzy(ストームジー)

先日12月13日、そんな彼のセカンド・アルバム『Heavy Is the Head』がリリースされた。

Glastonbury Festivalのトリを務めるなど、自国イギリスでは絶大な人気を誇るStormzy。しかし、まだアメリカを含む他国での知名度はそれほど高いとは言えない。
来年の2月からドバイを皮切りに、ヨーロッパ、アジア、アメリカ、アフリカを廻るワールドツアーを行うだけに、アメリカを中心に新たなエリアでのファンベースの獲得に期待がかかる。

そんなイギリスを背負うラッパーにかかる重圧は計り知れないものであろう。その彼を取り巻く環境、母国イギリスの政治への不満が現れているのが、今回和訳・解説を行なった1曲” Crown” だ。
リリックを読み解くと、キリスト教の教えと絡めた隠喩がうまく使われていたり、曲の1番と2番でのリリックの細かい変化が非常に練られている。

[Chorus: Stormzy]
Searchin’ every corner of my mind
俺の心の中の隅々を探し回ってるんだ

Lookin’ for the answers I can’t find
見つけられない答えを探してるんだ

I have my reasons and life has its lessons and
俺なりの根拠は持っているし、人生の中でそれなりの教訓は得てきた

I tried to be grateful and count all my blessings
感謝し続けていようと努力したし、神からの授かり物の数も数えた

But heavy is the head that wears the crown
だけど、冠をかぶったその頭が重みなんだ
(*Stormzyはイギリスではトップにいる存在=冠を被った王、という存在なので、ここでの「冠を被った頭」は彼自身の事と考えられる。)

[Verse 1: Stormzy]
Amen, in Jesus’ name, yes I declare it
アーメン、ジーサスの名の下に、打ち明ける

Any little seed I receive, I have to share it
俺が授かったはずの小さな種でさえも、分け合わなきゃならねえんだ
(*この「種」は当然ながら隠喩であり、彼の才能や能力を分け合わなければならないという意味と捉えられます。また、分け合う精神というのはキリスト教の教えであり、前文でジーサスの名を出すことによって、この文でその教えを皮肉っているとも考えられます)

Bruddas wanna break me down, I can’t bear it
俺のダチどもは俺のことを壊したいようだが、俺はそれに我慢ならねえ
(*上の歌詞で分け合う精神について説明したが、この文の” Bruddas “というのは、その自分で稼いだものを分け合わなければならなかった相手のことと考えられる)

But heavy is the head with the crown, I still wear it
冠をかぶったその頭こそが重みなんだ。まだ、かぶってはいるけれど

You can’t hold me down, I still cope
お前には俺のことを押さえつけられはしないさ。俺はまだやってけんだ

Rain falling down at the BRIT’s, I’m still soaked
ブリットアワードの時には雨に振られてたろ。ただ俺はまだ濡れたままさ
(*2018年のBRIT Awardで、彼は雨に打たれながら歌うパフォーマンスをした。動画は記事下部に添付)

Try to put a hole in our ship, we’ll build boats
俺らの船に穴開けようとしたろ。なんなら俺らはボートを作るさ

Two birds with one stone, I’ll kill both (One)
1つの石にとまった2匹の鳥、両方とも殺してやる

Pray I never lose and pray I never hit the shelf (two)
絶対に負けやしないことを祈るんだ。そして、もう2度と(自身の作品を)売りに出したりはしない

Promise if I do that you’ll be checkin’ on my health (cool)
もし俺が本当にそうなってしまったら、お前が俺の健康を気遣っていれるのか約束しろよ

If it’s for my people I’ll do anything to help
もしも、俺の仲間ためだとしたら、俺は助けるためになんだってやるだろうな

If I do it out of love it’s not to benefit myself, ooh
ただ、もしそれが愛の込もってない行為ならば、その時は俺自身に利益などない

Gotta stay around but make a comeback too
ここにとどまってなきゃなんねぇんだけど、カムバックもしなきゃなんねぇんだ

I know my only mother wants her son back too
母親が俺に戻って来て欲しいこともわかってる

They sayin’ I’m the voice of the young black youth
奴らは俺が黒人の若者の声を代弁してるって言ってる

And then I say “Yeah, cool” and then I bun my zoot
そんで俺は「あぁ、そうだな。」って言って、マリファナを吸うんだ

And now I’m
そして今、俺は…

[Chorus: Stormzy & LJ Singers]
Searchin’ every corner of my mind
俺の心の中の隅々を探し回ってるんだ

(Search every corner, look for the answers)
(隅々まで探し回ってる。答えを探してる)

Lookin’ for the answers I can’t find
見つけられない答えを探してるんだ

(No, I can’t find ‘em, no silver lining)
(駄目だ、見つけられねぇ。希望の光などねえんだ)

I have my reasons and life has its lessons
俺なりの根拠はあるし、人生の中でそれなりの教訓は得てきた

I tried to be grateful and count all my blessings
感謝し続けていようと努力したし、神からの授かり物の数も数えた

But heavy is the head that wears the crown
だけど、頭に被っている冠が重みなんだよ

[Verse 2: Stormzy]
Amen, in Jesus’ name, oh yes I claim it
アーメン、ジーサスの名の下に。誓う

Any little bread that I make I have to break it
俺が稼いだはずのどんなに小さなパンでも、分け合わなければならねえんだ
(*Verse 1では種、そしてVerse 2ではパンに変えています。彼の稼いだお金や名声をパンに例え、それを分け合わなければならない状態を、キリスト教の教えになぞった皮肉的な表現と考えられます)

Bruddas wanna break me down, I can’t take it
俺のダチどもは俺のことを壊したいようだが、もうそれに我慢ならねえんだよ

I done a scholarship for the kids, they said it’s racist
俺は子供達に奨学金も与えたぜ?ただ、奴らはそれは差別だって言ったんだ
(*Stormzyはイギリスの数人の黒人の生徒に対し奨学金を与えましたが、これを白人差別と捉える逆差別的思考を持った人々がいます。それに対するアンサーは次の歌詞に明確に現れています。また、彼はケンブリッジ大学の黒人生徒を中心に奨学金の付与を継続的に行なっています)

That’s not anti-white, it’s pro-black
アンチ白人ってわけじゃなくて、黒人賛成派ってことなんだ

Hang me out to dry, I won’t crack
俺を奈落の底に落とし込めろよ。挫けはしないぜ
(*”Hang (one) out to dry”とは「誰かを困った状態にさせる」という表現ですが、この “dry” は序盤でメンションされているBrit Awardでの濡れながら歌ったパフォーマンスともかかっています)

All these fancy ties and gold plaques
その豪華なネクタイや金の飾り物全て

Never had no silver spoons in our mouths, we sold, like
銀のスプーンなんて口の中に入れたこともねえ。コカインはやったけどよ
(*銀のスプーンは上流階級の食事を意味します。音源を聴くと、”sold”の後の音が消されていますが、これは “sold crack” (コカインで狂う事を意味するスラング)と考えられます。コカインから反応物を除いてロックにする為に、スプーン上で加熱します)

Don’t comment on my culture, you ain’t qualified
俺のカルチャーに口出しすんじゃねえよ。そんな資格与えられてないだろ

Stab us in the back and then apologize
俺らの事を背中から刺しておきながら、そんでもって謝るんだ

If you knew my story you’d be horrified
もしも、俺の辿ってきたストーリーを知ったら、お前は恐怖に怯えるさ

The irony of trappin’ on a Boris bike
ボリスの導入した自転車に乗って薬物売買する皮肉さ
(*イギリスのボリス首相は自転車共有システムをロンドンに導入しましたが、皮肉なことにその自転車は薬物売買をする人々に多く利用されています)

Gotta stay alive and save my brother as well
生き続けなきゃなんねぇけど、俺の弟も守らないとならねえんだ

Look at all these legends on the cover of Elle
Elleの表紙に載ってるレジェンド達を見てみろ
(*Elleとはフランス発のファッション雑誌。今年のUK版2月号で表紙を飾り、インタビュー内ではUK出身の「レジェンド達」(モデルのJourdan Dunn、ポエニストのYrsa Daley-Ward、俳優のDamson Idris、ボクサーのJoshua Buatsi、歌手のTiana Major9、モデルのLeomie Anderson、短距離走者のDina Asher Smith、サッカー選手のWifried Zaha、活動家のTemi Mwale)について語っています)

Long time comin’ but we come to prevail
とっくの昔に起きるべき事だったんだ。ただ、俺らは打ち勝つために起こしたんだ

I guess a little bit of heaven has to come with the hell, you know
少しの天国が地獄と共に来なければならねぇと思うんだ。言ってる意味が分かるだろ?

[Chorus: Stormzy & LJ Singers]
Searchin’ every corner of my mind
俺の心の中の隅々を探し回ってるんだ

(Search every corner, look for the answers)
(隅々まで探し回ってる。答えを探してる)

Lookin’ for the answers I can’t find
見つけられない答えを探してるんだ

(No, I can’t find ‘em, no silver lining)
(駄目だ、見つけらんねぇ。希望の光などねぇんだ)

I have my reasons and life has its lessons
俺なりの根拠はあるし、人生の中でそれなりの教訓は得てる

I tried to be grateful and count all my blessings
感謝し続けていようと努力したし、神様からの授かり物の数も数えた

But heavy is the head that wears the crown
だけど、頭に被っている冠が重みなんだ

[Outro: LJ Singers]
Heavy is the head that wears the crown
頭に被っている冠こそが重みなんだよ

WRITER : K-TA SZK
日本での義務教育を経て、渡米。
カリフォルニア州ロサンジェルスの大学で単位取得後、テネシー州ナッシュビルの大学へ編入。
現在、編入後の大学にて音楽ビジネスを学ぶ。
Instagram: @k_ta_szk

LATEST NEWS

LYRICS

FEATURE

©︎ SUBLYRICS, 2019, All rights reserved