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Double Up (Feat. Dom Kennedy & Belly)

Album : Victory Lap
Track : 15
Year : 2018
Produced by : Teddy Walton, IAMNOBODI, Axl Folie, Larrance Dopson, Mike N Keys & Lamar “Mars” Edwards

ラッパーはよくこんなことを言います「死んだらレジェンドになれるみたいだ」と。
「リスナー達は、ラッパーを亡くなって初めて評価する」という意味合いの言葉です。

ニプシー・ハッスルははラッパーとしての活動だけではなく、ビジネスマンとして、地域に様々な貢献を施してきました。
自身でブランドを立ち上げ、ショップを作り、地元の雇用を増やし、経済を回す。
コミュニティを何よりも大事にし、フッドのスターとして若者たちにインスピレーションを与え続けていた彼は、教育問題にも関心があり、地域の若者起業家のためにコワーキングスペースを開いたり、貧困地域の教育に欠けているSTEM (Science Technology Engineering Mathmatics)教育を推し進めてきました。

「インナーシティにコワーキングスペースを作ることを発表するよ。シリコンバレーで得れるようなスキルを子供達が獲得できるような、テクノロジーの設備が備わったスペースをオープンするんだ」

上記のような彼の活動・音楽・人間性がいかに偉大だったかは多くの人が知っていたことでしょう。
しかし、彼の訃報を見て、初めて彼の活動を知ったり、彼の音楽を聞いた人も多くいるのは事実です。
今後、リスナー達の声は彼に直接届くことはなく、まさに「死んだらレジェンドになれる」その言葉通りのジレンマに陥ってしまいます。
しかし、彼が本当に望むことは一体何かを考えれば、それはきっと「評価されること」ではなく、彼のメッセージ、そして彼の望んだ理想に世の中、アメリカ、そして彼の育ったコミュニティが少しでも近づくことであると私は考えています。

彼のメッセージ・活動が少しでも多くの人に伝わることを願って、この記事をポストさせて頂きます。

今回紹介するのは2018年リリース『Victory Lap』から” Double Up” 。
同じくLA出身のドン・ケネディ、カナダ出身のベリーを迎えた一曲では、彼らがドラッグ・ディールなリアルな実情を明かしています。
ニプシー曰く、「お金のない時期に別れた彼女と、成功したのちに再び出会ったこと」がテーマになっているそう。


[Chorus: Nipsey Hussle & Belly]
Double up
2倍にしてやるんだ

Three or four times, I ain’t tellin no lies, I just run it up
3倍にも4倍にもしてやる、嘘はつかねえぜ、俺はやりきるだけだ

Never let a hard time humble us
どんな困難だって乗り越えてやるよ

Do-do-double up
2倍にして稼いでやるよ

I ain’t tellin’ no lies, I just (yeah)
嘘はつかねえ、俺はただ

I ain’t tellin’ no lies, I just
嘘なんてつかねえよ、俺はたださ

Five, four, three two
5、4、3、2

That’s time, I got, to you
もう時間だ、君のために稼いだんだ

That money, my dreams, come true
あの金をね、俺の夢も実現したよ

My life, in diamonds, who knew?
ダイアモンドに囲まれる生活ってやつさ、誰がこうなるって想像した?

Who knew? Who knew?
誰もわからなかっただろ? 誰がわかってたんだよ?

 

 

 

[Verse 1: Nipsey Hussle]
Turned 7 to a 14
7を14に変えたのさ
(1オンスは14グラム。タイトル通りハーフ・オンスを2倍に変えてきたと)

14 to a whole thing
14さ、これで全てだろ

Lord knows it’s a cold game
神様は知ってる、このゲームが冷たいってな
(ラップ・ゲームや、ドラッグ・ディールの世界のことですね)

Switched up on you hoes, mayne
お前のビッチに乗り換えることにするよ、なぁ

Big body take both lanes
車体がでかくて、レーンをはみ出して二つ使ってる

Backseat blowin’ propane
後部座席ではウィードを吹かしてさ

All black, five gold chains
全身真っ黒で、5つのゴールド・チェーンを纏って

Young rich nigga bossed up on his own mayne
ヤング・リッチ・ニガ、自分の稼いだ金で威張ってる

My new shit sound like it’s “Soul Train”
俺の新曲のサウンドはまるで” Soul Train “さ
(アメリカで70年代から20年以上続いた音楽番組。様々なブラック・ミュージックが演奏されていました)

Tookie Williams over Coltrane
Tookie WilliamsがColtraneを追い越した時みたいな感じさ
(Tookie Williamsはアメリカのギャングスタ。Clipsを設立したことでも知られています。Coltraneはジャズ・アーティストですが、ジャズからギャングスタへ時代は変化したと彼は主張しています)

Eric B by the rope chain
Eric Bはロープみたいなチェインを着けてさ
(Eric Bはラッパー。ロープのような太いネックレスを着けていました)

RSC, we fo’ sho bang
RSC、俺たちにかかれば皆殺しさ
(RSC = Rolling 60s Clipsの略。Clipsのフルネームですね)

Tiny locs and they go crazy
Tiny locs、みんなクレイジーになってるよ
(Tiny LocsはLAのラッパー。もしくは髪の編み込みのこと)

What you know about the dope game?
お前がドラッグ・ゲームの何を知ってるって言うんだ?

Was you born in the 80’s? Did your mama smoke cocaine?
お前80年代生まれなのかよ?お前のママはコカインやってたってか?
(いわゆるドナルド・レーガンの時代のことですね。アメリカの2極化を推し進めた政権だと言われていて、インナーシティにコカインをばらまいたとされています)

Have you ever seen a whole thang?
お前は本当に全てを目撃したのか?

What you drove through to the streets cause you grew up on short change?
何がお前をストリートに導いたんだよ?騙し合いの世界で育ったからか?

Fucked up when the dope age
ドラッグの世代はもうめちゃくちゃだよ
(先ほどの80s世代のことですね)

It remind me when these rappers drop duds and they clothes change
思い出すよ、ラッパーたちが発砲しまくって、みんなが服を着替えてた頃をね
(服を着替える = clipsとbloodsにはそれぞれカラーがあり、LAでは二つのギャングの色の服を着ることは危険なことでした)

Had the part with the low fade
ロー・フェードで仕事をしてたよな
(ロー・フェード = 髪型)

I would stand in front of Nix wit my sack for the whole day
Nixの前に立って、一日中ヤクを捌いてたんだ
(ロサンゼルスのストリートの名前ですね。彼はそこに” Marathon “というストアを建てました)

Drive-by’s, that was road rage
車で立ち寄ってさ、突然銃撃戦なんてこともあった

Then we park and hop out, learn levels to this whole thang
俺たちも車を止めて、外に飛び出すのさ、「全て」のレベルをよく学んでくれよ

Old school play the O’Jays
オールド・スクールのラジオではO’ Jaysがかかってる
(O’ Jaysは1958年から活動していたR&Bグループ)

Tryna make a slow change, mama still slavin’ for a low wage
ゆっくりでもいいから変化を生もうとしてるんだ、ママはまだ低い賃金で奴隷みたいに扱われてる

Tryna
なんとかしないといけないんだ

 

 

 

 

[Chorus: Nipsey Hussle & Belly]
Double up
2倍にしてやるんだ

Three or four times, I ain’t tellin no lies, I just run it up
3倍にも4倍にもしてやる、嘘はつかねえぜ、俺はやりきるだけだ

Never let a hard time humble us
どんな困難だって乗り越えてやるよ

Do-do-double up
2倍にして稼いでやるよ

I ain’t tellin’ no lies, I just (yeah)
嘘はつかねえ、俺はただ

I ain’t tellin’ no lies, I just
嘘なんてつかねえよ、俺はたださ

Five, four, three two
5、4、3、2

That’s time, I got, to you
もう時間だ、君のために稼いだんだ

That money, my dreams, come true
あの金をね、俺の夢も実現したよ

My life, in diamonds, who knew?
ダイアモンドに囲まれる生活ってやつさ、誰がこうなるって想像した?

Who knew? Who knew?
誰もわからなかっただろ? 誰がわかってたんだよ?

 

 

 

[Post-Chorus: Belly & Dom Kennedy]
I leave it behind if you let me
もし君が許すなら、それは置いていくよ
(おそらくお金のこと)

I probably got drowned just to hold you down
君のそばにいるために、俺はきっと溺れてしまったんだ

I’d jump off the ledge if you with me
君が一緒なら、窓から飛び降りてもいいと思ってるけど

I’d break you up, you just let me down
もし君と別れることになれば、落ち込むんだろうな

Let me down
落ち込んじまうよ

Got my All Money In chain too
どんなチェインをゲットしてもさ

Let me down
落ち込むに決まってるだろ

 

 

 

 

[Verse 2: Dom Kennedy]
It’s hard to catch what you can’t see
目に見えないものを掴むのは難しいんだ

I grew up to be who I wanna be, so
自分の” 理想の男 “になれるように俺は成長してきたから

The more niggas talk I’ma shine
みんなは俺がイケてるって話をしてる

Might a been way before its time
こうやって売れる前からずっとかも知れねえが

Posted wit my back against the wall
壁に背を向けた写真をアップしてるのさ

Life is a bitch but she mine
人生はクソだが、彼女は俺に夢中さ

The rag six deuce yeah it’s mine
” six deuce “の旗はさ、エイ、俺のもんだぜ
(Clipsは” Six Deuce Diamond “という名でも知られています)

“The Westside II”, yeah it’s mine
『The Westside Ⅱ』、エイ、俺も持ってるぜ
(ニプシーの2010年リリースのミックステープのタイトルから)

What you know about
お前が目にするものって言ったら

Your poster on the wall like the dealership?
壁に貼ってあるポスターが、ディーラーっぽいってぐらいか?
(ドラッグ・ディーラーは、壁のポスターの裏にドラッグを隠すことがあります)

Leave her in the bed, legs tremblin’
彼女をベッドに一人にして、足は震えてる

Gettin’ banged on for your Pendleton’s
Pendletonのせいでボコボコにされたみたいだ
(” Pendleton “はギャングのメンバーが好んで着ている服のブランド。色を間違えばリンチされてもおかしくありません)

What you know about
お前は何を知ってんだよ

Your response be the reason you exist?
お前の返答が、生きるか死ぬかを決めるかもって?
(ドラッグ・ディールをして生きていると、質問の返答次第では銃撃戦になることもあると)

Lucky I ain’t get caught up in the twist
ラッキーだったよ、俺は騙されることはなかったからさ

Young nigga, blue pager on my hip so
若い男さ、ケツには青の無線機を仕込んでる
(Clipsのカラーですね)

As the champagne spill
シャンパンがこぼれ落ちるように

And the car accelerate and the beat gon’ cry
車の加速とこのビートに涙が出てくるよ
(高級車に乗ること、ラッパーとして生活できていることに感謝しています)

I be goin’ to the bank at least three, four times
この後、少なくとも3回、4回も銀行に行くぜ

Getting handshakes from the branch managers
そこのマネージャーとしっかり握手を交わしてさ

We keep doing fly shit when the cameras cut
カメラが回ってる時は、俺たちはしっかりキメてくぜ

 

 

 

 

[Chorus: Nipsey Hussle & Belly]
Double up
2倍にしてやるんだ

Three or four times, I ain’t tellin no lies, I just run it up
3倍にも4倍にもしてやる、嘘はつかねえぜ、俺はやりきるだけだ

Never let a hard time humble us
どんな困難だって乗り越えてやるよ

Do-do-double up
2倍にして稼いでやるよ

I ain’t tellin’ no lies, I just (yeah)
嘘はつかねえ、俺はただ

I ain’t tellin’ no lies, I just
嘘なんてつかねえよ、俺はたださ

Five, four, three two
5、4、3、2

That’s time, I got, to you
もう時間だ、君のために稼いだんだ

That money, my dreams, come true
あの金をね、俺の夢も実現したよ

My life, in diamonds, who knew?
ダイアモンドに囲まれる生活ってやつさ、誰がこうなるって想像した?

Who knew? Who knew?
誰もわからなかっただろ? 誰がわかってたんだよ?

 

 

 

 

[Post-Chorus: Belly]
I leave it behind if you let me
もし君が許すなら、それは置いていくよ

I probably got drowned just to hold you down
君のそばにいるために、俺はきっと溺れてしまったんだ

I’d jump off the ledge if you with me
君が一緒なら、窓から飛び降りてもいいと思ってるけど

I’d break you up, you just let me down
もし君と別れることになれば、落ち込むんだろうな

Let me down
落ち込んじまうよ

Got my All Money In chain too
どんなチェインをゲットしてもさ

Let me down
落ち込むに決まってるだろ


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