OF のオリジナル・メンバー7人のうちの1人Hodgy。Left Brain とのラップ・デュオMellowHype で2012、2013年に2作品、カナダのシンガーRuben Young や、川崎出身のDJ Tomoth の作品に客演として参加。個人としてもスタジオ・アルバム『Fireplace』を2016年にリリース。それ以降は少々制作に行き詰まっているのか、「2018年内にMellowHypeとしての作品をリリースする」という宣言以降、まとまったプロジェクトは公開されていない。
アトランタ出身、高校卒業後にLA に拠点を移したVritra。OF では後にThe Internet を結成するMatt Martians と共にThe Jet of Age Tommorow というユニットとしても活動してきた。
2012年以降は毎年2枚以上の作品をリリースし続け、2014年からはKnxwledge、Madlib、J Dilla、MF Doom、Mndsgn などが所属するLAのインディ・レーベルStones Throw Records から5枚のEP、4枚のアルバムをリリースしている。その作品数と、Stones Throw のカラーを鑑みれば、彼がいかに音楽に対して愛情を持っているかは明確だろう。決して派手ではないが、色褪せなない作品を制作し続けている。昨年リリースされた『FEMME』は特にオススメ。
Jasper(ジャスパー)
2008年、OF の結成から1年でTyler と「I Smell Panties」なるユニットを結成し、OF Tape にもラッパーとして参加してきたJasper。特に「Oldie」で披露された「Hey It’s Jasper, not even a rapper」のラインの衝撃は今でも忘れられない。
そのスピット通り、彼はラッパーではなく現在、アクターやタレントとしての活動を主としている。2012年からOF の仲間たちと共にコメディ・シリーズ「Loiter Squad」に出演、2017年〜Tyler が監督を務めたアニメ・シリーズ「The Jellies!」に、昨年からはVICE TV にて様々な「未体験」をチャレンジする番組「Jasper & Errol’s First Time」に主演として出演するなど、その愛すべきキャラクターを活かし、アクター / タレントして活躍している。
イングルウッド出身のCasey はLA のローカル・ミュージックを今日も作り続けている。Mac Miller 、Nipsey Hussle、Kendrick Lamar らのライブ・オープニング・アクトを務めたラッパーは順調にキャリアのステップを踏み、2009年から9つものスタジオ・アルバムをリリースしている。
どの作品でもTy Dolla $ign や Dom Kennedy、YG など地元を共有する豪華ゲストが参加しており、最新作ではLarry June とも重なるベイ・エリア的なサウンドを披露している。その重厚なドラムスと爽やかなメロディで強固なファン・ベースを確立、Spotify の月間リスナーも40万人を超える。Tyler や Frank、The Internet 、誰とも音楽性は似つかないが(だからこそ途中でOFから脱退したのだろう)、ローカルへの愛を感じるクールな作品は是非チェックしてほしい。
Matt Martians(マット・マーシャン)
OF 時代はVritra と共に「The Jet of Age Tommrow」としてミックステープを一作リリース。2011年にSyd と共にThe Internet を結成。ツアー・メンバー(のちに加入)である、Patrick Paige、Christopher Smith、Tay Walker と共に同年『Purple Naked Ladies』をリリース。メンバーの脱退・加入等を繰り返しながら、2015年には『Ego Death』でグラミー賞・最優秀コンテンポラリー・アルバムにノミネート。日本でも毎年のようにライブが行われるなど、随一の人気を誇るバンドへと成長した。
OF のMVでも基本的に控えめなMatt だが、The Internet の作品の大半のプロデュースを行っていることもあり、バンドには欠かせないリーダー的な存在だ。個人としても『The Drum Chord Theory』『The Last Party』をリリースするなど、プロデューサーとしての手腕が光っている。
意外と知られていないが、Syd はTaco の実の姉である。OF の作品やTyler のデビュー・アルバム『Wolf』の多くはSyd のベッド・ルームで録音したものということで、彼女とTaco がOF の面々と出会っていなければ生まれていない作品は数知れないだろう。(S/O to Syd and Travis and their parents!)
“ シドとトラヴィスの両親に送る、俺に飯をふるまってくれたり、暖かい飲み物を与えてくれてありがとう。あなたたちの思う以上にそれは俺にとって重要なことだったんだ。- Tyler, The Creator ”
上述のように、現在はMatt と共にThe Internet を結成、ヴォーカルとして個人・グループの両方で素晴らしい活躍を見せている。
彼はラッパーでもなければ、プロデューサーでもDJでもなかったため、当時ファンからは「マスコット」と呼ばれていた。実際はOdd Future Store やGolf Wang Store のストア・マネージャーを務め、現在はSupreme LA のショップ店員、Supreme のモデルとして活躍している。
2009年加入メンバー
Earl Sweatshirt(アール・スウェットシャツ)
OF 時代との音楽性の違いが最も顕著なのがEarl Sweatshirt かもしれない。2013年に1st アルバム『Doris』を2015年に2nd アルバム『I Don’t Like Shit, I Don’t Go Outside』をリリース。ダークで、どこか鬱屈したサウンドはOF 時代にも披露していたわけだが、彼は2nd アルバムのリリース後、UCLAでレース(人種)研究を行う母の勧めで、2年間サモアに移り住み、特別なセラピーを受けていた。
そこでアフリカン・アメリカン、ラップ・ミュージックの歴史などに深い興味を持った彼は2018年に『Some Rap Songs』で以前よりも抽象的で反復的なビートの上で暗い感情を吐露し、EP『Feet of Clay』では、自身のラップを「暗号である」と語りながら、アフリカン・アメリカンとしてのアイデンティティとその音楽に脈々と流れる歴史を学び、汲み取りながら表現を続けている。彼の作品を代表にOF メンバーたちはバイラル・ヒットを目掛けた作品作りは一切行っていない。そのメンタリティはOF 時代から全員が持っていたものだ。