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If You Know You Know

Daytona (2018) : Track 1

カニエ・ウエストがプロデュースを手がけた、プシャ・Tの2018年リリース、『Daytona』は絶賛され、年間ベストアルバムの声も名高い一枚に。
そんな作品のオープニングトラックはドラッグ・ディーラーとして成り上がってきた彼のキャリアの多くが語られます。タイトル” If You Know You Know “は、「わかる奴には、理解できる」という意味で、ドラッグ・ディールを経験してきた人にしかわからない、独特のライフスタイルが語られます。危険を冒しながらも、成り上がってきた彼の経験と、度胸が垣間見えてくる一曲になっています。


[Verse 1]
Pullin’ up in that new toy
新しいおもちゃに乗って向かう
(この”おもちゃ”は彼の持つ高級車のことでしょう)

The wrist on that boy rockstar like Pink Floyd
俺の腕にはロックスターが、まるでピンク・フロイドだろ
(高級時計のこと、光り輝く時計とロックスターを重ねています)

Waving at rude boy, I’m wavin’ at you, boy
礼儀のなってないボーイに手を振ってるよ、お前に振ってんだよ、なぁ

Ran off on the plug too like Trugoy
ドラッグを奪って逃げる、まるでTrugoyみたいに (De La SoulのTrugoyのこと)

Imagine me do-boy, you could never do what I do, boy
俺を思い浮かべてみなよ、パシリ野郎。俺のやってること何一つできやしないだろ、なぁ

Still, duckin’ shit that I did, boy
まだ俺のしてきたことから逃げてやがるよ、お前はな
(危険なこと、リスクのあることから逃げているという意味)

Niggas in Paris ‘fore Hit-Boy
パリに降り立ったぜ、Hit-Boyの前から俺はいるんだ (Hit-Boyはプロデューサーのこと)

These ain’t the same type of hits, boy
よくあるヒットソングと一緒にするんじゃねえよ、なぁ

Shit can get litter than lit, boy
俺の曲は「イケてる曲」よりもっとイケてるからさ、ボーイ

You don’t take these type of risks, boy
お前は俺が取るリスクを取ってないんだ、ボーイ

‘Cause this boy been throwin’ that D like Rich Boy
だって俺はずっとドラッグを売りつけてる、まるでRich Boyみたいにな
(Rich Boy の” Throw Some D’s “から)

You missed, boy; ya numbers don’t add up on the blow
見落としたな、ボーイ、お前の提示額は桁が足りねえぜ

That was ten years ago – if you know, you know (Yeah)
それって10年前のハナシだろ、もしお前がわかってるなら、理解できるはずだよな

[Break]
If you know, you know
わかる奴には、わかるよな

If you know, you know
わかる奴には、理解できるよな
(ドラッグの世界にいるなら、pushaの言っていることが、理解できるはずだという意味)

[Verse 2]
This thing of ours, oh, this thing of ours
このブツは俺たちのだぜ、俺たちのものさ

A fraternity of drug dealers ringin’ off
馴染みのドラッグ・ディーラーからの電話が鳴り止まねえ

I just happen to be alumni
俺はちょうど卒業生になったとこさ
(ドラッグ・ディールのグループはまるで、大学の同級生のような繋がりを持っていて、辞めた後も卒業生として関係を持ち続けるんですね)

Too legit, they still lookin’ at me with one eye
かなり厳しいぜ、あいつらまだ俺を片目でじっくり見続けてる
(銃口に目を当てて、片目で見つめられる様子が浮かびます。辞めた後も危険だと)

The company I keep is not corporate enough
俺が持ってる会社にはまとまりがねえんだ
(GOOD Musicのこと。彼は代表を務めています)

Child Rebel Soldier, you ain’t orphan enough
幼き反乱戦士の集まりって感じさ、お前もきっと孤独じゃないさ
(独立したアーティスト集団であるGOOD Musicの面々は、「孤独」というイメージが付きまといます。そんな風に見えても、レーベルの一員であり、彼らは決して一人ではないと。カニエ、ルーペ・フィアスコ、ファレルの3人組ユニットの名前もChild Rebel Soldier。引用しているのかもしれません)

A rapper turned trapper can’t morph into us
ラッパーがトラップ野郎になったって、俺たちを変えることはできない
(ここでいうトラップ野郎はドラッグを売っているラッパーでしょう)

But a trapper turned rapper can morph into Puff
でもトラップ野郎が、ラッパーになったら、Puffにだってなれるさ(P.Diddyのこと)

Dance contest for the smokers
スモーカーのためのダンス・コンテスト (クラック・ダンスなどのこと)

I predict snow, Al Roker
今日は雪が降るって予想しとくよ、AI Rokerみたいにな
(AI RokerはNBCのキャスター。またsnowはコカインを表すスラング)

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

I only ever looked up to Sosa
俺が尊敬してるのはSosaだけ
(映画ScarfaceのキャラクターSosaのこと。彼もドラッグ・ディーラーです)

You all get a bird, this nigga Oprah
全部ブツは持っただろ、こいつはまるでOprahだぜ
(a bird はコカインのこと。Oprahは起業家のOprah Winfreyのこと。トークショーで無料で観客にギフトを渡すことでも有名。まるでOprahのように、ブツをばらまくんですね)

[Chorus]
Bricklayers in ball shorts
ドラッグ・ディーラーがバスケのパンツを履いてる
(Brickはコカインのスラング)

Coachin’ from the side of the ball court
コートの端からコーチングしてるんだ
(コート上で戦うバスケットボールと、地域で争うドラッグディールを重ねています)

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

One stop like a Walmart
なんでも揃ってんだ、まるでウォルマートだろ

We got the tennis balls for the wrong sport
テニスボールをゲットしたぜ、使い方は間違ってるかもな
(テニスボールは中が空洞なので、中になんでも詰めることができます)

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

If you know ‘bout the carport
お前がカーポートのことよくわかってるなら
(カーポート = 車庫、車庫での取引ということ)

The trap door’s supposed to be awkward
トラップドアには警戒するんだ

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

That’s the reason we ball for
それが理由なんだ、俺たちは勇敢に向かうんだ (ballはコカインという意味も)

Circle round twice for the encore
アンコールさ、その周りを2周するんだよ
(車庫の周りを2周して、取引相手のトラップに警戒するということ)

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

[Verse 3]
You ever been hit with the water weight
湿ったブツに当たったこともあるだろ
(粉を水で湿らせることによって、重さをカサ増しするというわけです)

Then had to weigh, “Do you war or wait?”
その時こう尋ねるのさ「戦争がしたいのか、それとも待ってればいいのか?」って

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

When we all clickin’ like Golden State
俺たちはみんな息が合うのさ、まるでGolden Stateみたいに
(NBAチーム、Golden State Warriorsのこと。ステファン・カリー、ケヴィン・デゥラントなどが所属する有名なチームですね。まるでウォーリアーズのように、チームワークがピッタリだと)

And you and your team are the motorcade
お前らのチームは、パレードの進行車だな
(JFケネディの暗殺を彷彿とさせます。先ほどのラインから” Clickin “は発砲という意味も)

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

Been grantin’ wishes like a genie
お願いなら俺が叶えてきた、まるでジーニーみたいに
(ランプの魔人、ジーニーから)

Two bad hoes in two-piece bikinis
2ピースのビキニを着た、二人のビッチたち

I’ve been hidin’ where you can see me
俺のこと見えてると思ってたら大間違いさ

The skybox is right next to RiRi’s
スカイボックス、俺の真横にはリアーナが座ってる
(スカイボックスは、スタジアムなどのVIP席のこと。ドレイクが過去にほぼ同じラインを歌っていますが、彼へ向けたラインという説も)

Solely responsible for showin’ rappers how to stand
孤独な責任だよ、ラッパーたちにどうやって自立するかを示してるんだ

On the front lines when trappers started throwin’ bands
最前列から、トラップ野郎たちが金の束を投げ込み始めた

Where were you when Big Meech brought the tigers in?
Big Meechがタイガーを連れてきた時、お前どこにいたんだ?
(Big Meech はデトロイトのドラッググループのリーダーDemetrius Flenoryのニックネーム。ジャングルをテーマにしたパーティを開いていたらしく、そこに虎やゾウを連れてきていたそう)

‘Cause I was busy earnin’ stripes like a tiger’s skin
だって俺は忙しかったんだ、クスリで稼いでたからな、まるでタイガーのストライプみたいにさ
(stripesはコカインのスラング。先ほどのラインとかけています)

[Chorus]
Bricklayers in ball shorts
ドラッグ・ディーラーがバスケのパンツを履いてる

Coachin’ from the side of the ball court
コートの端からコーチングしてるんだ

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

One stop like a Walmart
なんでも揃ってんだ、まるでウォルマートだろ

We got the tennis balls for the wrong sport
テニスボールをゲットしたぜ、使い方は間違ってるかもな

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

If you know ‘bout the carport
お前がカーポートのことよくわかってるなら

The trap door’s supposed to be awkward
トラップドアには警戒するんだ

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)

That’s the reason we ball for
それが理由なんだ、俺たちは勇敢に向かうんだ

Circle round twice for the encore
アンコールさ、その周りを2周するんだよ

(If you know, you know)
(わかる奴には、わかるだろ)


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