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Jermaine’s Interlude (Feat. EARTHGANG & J.Cole)

Album : Major Key
Track : 5
Year : 2016
Produced by : Hollywood JB

DJ Khaled (DJキャレド)の2016年リリース『Major Key』はジェイ・Z、ナズ、ビッグ・ショーン、ケンドリック・ラマー、J.コール、トラヴィス・スコットなど非常に豪華な客演を揃えた「オールスター集合」的なアルバムに。
今回は5曲目、レーベルDreamVilleから、アースギャング、J.コールを迎えた” Jermaine’s Interlude “を紹介します。

この曲のリリックで、コールはラップ・ゲーム、レーベル、そして音楽業界全体に対して持っている感情を明かしています。

レーベルは曲を焼き尽くしてる。魂を売れって言いやがるんだ」というラインが象徴的ですが、レーベル・会社がビジネスのために、若手ラッパーたちの作品・アートを台無しにしていることを指摘しているのですが、コール自身も同じような体験を過去にしています。
彼はジェイ・Zのロック・ネーションにサインした最初のラッパーであり、そのレーベルでアルバムをリリースするのに非常に苦労した過去を持っています。( 関連記事: コールに立ちはだかった苦難の道のり – Sideline Story )

コールはデビューアルバム『Sideline Story』をリリースするためには「ラジオでかけられるような、キャッチーな曲がなくてはいけない」とメンターであるジェイ・Zに告げられ、シングル” Work Out “をリリースします。彼の表現したいこととは異なる、自身のクリエイティビティに反した音楽をリリースしなければならなかった過去を持っているわけです。
もちろんジェイ・Zが間違っているわけではありません。ビジネスもラップをしていく中で重要な要素であることは間違いなく、彼の指摘も妥当性はあります。
しかしコールはこの曲で「お前が語るストーリーは、売り上げなんかよりずっと大事なんだ」と語ります。

ラッパーたちがどんな思いを持っていても、アルバムのリリースにGoサインを出すのはレーベルなわけで、ラッパーたちはその意見に従わなければいけません。ここを彼は批判しているわけですね。

2019年にリリースした Middle Child では、ラップを続ける新たな” ミッション “・モチベーションを見つけたと語られていますが、この曲の最後のラインでは、「引退を考えてる」というラインもあるほど、2016年のこの時期に彼が非常に落ち込んでいたことがわかります。


[Refrain: EarthGang]
Can’t call it, can’t call it
わからないよ、わからない

I never came from deep pockets
裕福な暮らしなんてしたことないんだ

Why can’t I make a deposit?
なんで少しも金が貯まらないんだ?

Can’t call it, uh, can’t call it
わからないよ、わからない

Yeah, can’t call it, I can’t call it
エイ、わからないんだ、わからないよ

I never came from deep pockets
裕福な暮らしなんてしたことないんだ

Why can’t I make a deposit?
なんで少しも金が貯まらないんだ?

Can’t call it, yeah, I can’t call it
わからないんだ、エイ、わからないよ

 

 

[Chorus: J. Cole]
Oh, I had so many days of crying
あぁ、涙を流した日ならたくさんあるよ

Oh, I had so many days of pain
あぁ、痛みに苦しんだ日ならたくさんある

Have you ever been as sad as I am?
俺みたいに悲しい気持ちになったことあるかい?

Lord, I ask if anything would change?
神よ、私は変化を願っても良いですか?

I can see the future that we’re heading
俺たちが向かってる未来が見えるんだ

I would say it’s better not to tell
それは言わない方が良いってわかってるけど

If it’s anything like this in Heaven
この現状が天国だっていうなら

Maybe I’d be better off in hell
俺は地獄に行った方がマシなのかな
(彼ほどのラッパーであれば、山ほどのお金を持っているはずです。その状態を一般には「天国」と言いますが、彼にとっては天国ではないんだと)

(Better off in hell)
(地獄の方がマシさ)

 

 

[Verse: J. Cole]
Tables do turn and labels do burn
テーブルは回る、レーベルは焼き尽くす
(ターン・テーブルのことですね。コールは現在、自身が設立した” Dreamville “というレーベルを持っていますが、それ以前はJay-Zのロック・ネーションと契約していました。若手ラッパーたちの作品をレーベルは台無しにしていると)

The second they ask you to sell your soul
あいつら契約したら、すぐ「魂を売れ」って言いやがる
(コール自身もそうだったように、若手ラッパーたちは、レーベルの言いなりにならずにはアルバムをリリースできません)

Don’t you do it, don’t you fold, say “Fuck that shit” and be bold
やらないのか、諦めるのかよ、「クソ喰らえ」って言ってやれ、そして裸になるのさ

Cause all them stories you told on records worth more than gold
だって曲の中でお前が語るストーリーは、” ゴールド “なんかより、よっぽど価値のあるものだから
(ゴールドはお金のことですね。レーベルにストーリーが捻じ曲げられることは最悪だと)

And if you never go gold again, at least you would know
もしゴールドに到達できなくても、きっと納得できるだろ
(ゴールド = 500,000枚)

The end of your road was chose, by you and not companies
その道の終着点が、「自分」で選んだものならな。「会社」じゃねえぞ
(会社によって行った意思決定によって失敗は、納得できるものではありません)

Who control our remote control, and hide the truth on my no
誰が俺たちのコントロールを握ってるんだよ、真実を隠してるやつは誰なんだ

But don’t mind me, I’m just high again
でも俺のことは気にしないでくれ、またちょっとハイになってるだけだよ

Smokin’ weed to get by again
ハイになるためにウィードを毎回吸ってさ

No, actually I’m lyin’ ‘cause smokin’ ain’t got me smilin’
いや、嘘をついたよ。だって本当は葉っぱを吸っても笑顔にはなれないから

And rhyming like I rhyme way back when I would play the violin
ヴァイオリンを弾くみたいに、ライムを踏み続ける
(コールは少年〜青年時代にヴァイオリンをプレイしていたそう)

Thought that shit wasn’t cool
あれはイケてなかったよな
(ヴァイオリンを習っていたことが、ラッパーとしてのイメージとそぐわなかったと感じています)

Momma sorry, I just stopped tryin’ it
ママごめんな、俺はトライするのをやめたんだ

Paid for your house in hopes, there’d be no more reason for cryin’
あなたの家は買い戻したからさ、もう泣く理由はないだろ
(” Apparently “で語られていたことですね。コールの母は地元ファイエットヴィルにある実家の住宅費を払えず、売り払ってしまいました)

That shows you how stupid I am ‘cause niggas is out here dying
あの出来事が、俺がどれだけバカなのか教えてくれた、黒人たちは死にかけてるじゃねえか
(大学に進学し、NYで遊び呆けていたコール。その頃母親は苦しんでいました。また黒人の貧困問題や、警察による非武装の黒人への暴力問題を示唆します)

From police that flash the siren and pull up and just start firin’
警察の車からサイレンが聞こえて、警官が降りてきたと思ってら、すぐに発砲しやがる

Niggas murkin’ each other in murky water, I try and swim
黒人たちは淀んだ水の中で、お互いを傷つけ合ってる。俺もその水の中を泳ごうとトライしてるけど
(銃社会に生きる黒人たちは「痛み」に鈍感になってしまっています。淀んだ社会のシステム (水) の中で成功 (泳ぐこと) はできても、心の中は壊れてしまっていると)

How the fuck do I look when I brag to you ‘bout some diamond?
君にダイアモンドを渡す俺は、どんな風に見えるってんだ?
(物質主義的な考えを彼は否定しています。お金を持っているからと言って、安易にお金や、価値のあるとされている宝石を振りまくことが良いことなのか問いかけています)

Said all that I could say now I play with thoughts of retirement
もう今言えることといえば、引退を考えながらプレイしてることくらいさ

 

[Chorus: J. Cole]
Oh, I had so many days of crying
あぁ、涙を流した日ならたくさんあるよ

Oh, I had so many days of pain
あぁ、痛みに苦しんだ日ならたくさんある

Have you ever been as sad as I am?
俺みたいに悲しい気持ちになったことあるかい?

Lord, I ask if anything would change?
神よ、私は変化を願っても良いですか?

I can see the future that we’re heading
俺たちが向かってる未来が見えるんだ

I would say it’s better not to tell
それは言わない方が良いってわかってるけど

If it’s anything like this in Heaven
この現状が天国だっていうなら

Maybe I’d be better off in hell
俺は地獄に行った方がマシなのかな

(Better off in hell)
(地獄の方がマシさ)

 

 

[Refrain: EarthGang]
Can’t call it, can’t call it
わからないよ、わからない

I never came from deep pockets
裕福な暮らしなんてしたことないんだ

Why can’t I make a deposit?
なんで少しも金が貯まらないんだ?

Can’t call it, uh, can’t call it
わからないよ、わからない

Yeah, can’t call it, I can’t call it
エイ、わからないんだ、わからないよ

I never came from deep pockets
裕福な暮らしなんてしたことないんだ

Why can’t I make a deposit?
なんで少しも金が貯まらないんだ?

Can’t call it, yeah, I can’t call it
わからないんだ、エイ、わからないよ


 

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