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COMPLEX

【INTERVIEW】キッド・カディ、NIGOと共に出演したインタビューで、カニエ・ウエストとの新たなジョイント・アルバムを製作すると語る。

SEPTEMBER 10 , 2019

オハイオ州クリーヴランド出身のラッパーKid Cudi (キッド・カディ) は10ものアルバムをすでにリリース。2009年のデビュー以来、心の内側を正直に、美しく伝えてきた作品により大きな評価を得て、すでにその人気を確立している。

現在35歳となった彼が音楽のキャリアをスタートさせたのは2006年頃。
当時ニューヨークでショップ店員として働いていたキッド・カディは、来店したKanye West (カニエ・ウエスト) にデモテープを手渡したことがきっかけとなり、G.O.O.D Music とのレーベル契約にこぎつけた。
そんなキャリアスタートのきっかけとなったショップとは、日本人デザイナーであるNIGOが設立したファッションブランドBAPEのNY店

当時はそんなブランドの設立者とショップ店員という関係性だった二人が、今回は独立した二人のアーティストとして共演。
インタビューではポップ・カルチャーを代表する二人がストリートウェアや、現在作っている作品について語ってくれている。

 

Virgil Abroh (ヴァージル・アブロー) がルイ・ヴィトンのディレクターとなったように、ストリートウェアがハイファッションに進出している現在「既存の洋服作りを学んでこなかった特別な知識がないアーティストは成功することができるのか?」という質問に対し、二人は、

NIGO : 
服を作るのに、服の勉強はしなくても良いと思います。僕はファッションとエディトリアルの勉強をしていたけど、実際に服を作ったことはなかったんです。建築のように、専門的な勉強をしてこなかった人たちがより成功を納めてることもありますし、自分のやり方で進めていくことは良いことだと思います。

キッド・カディ : 
俺も若いころは、自分で服のブランドをやるなんて夢にも見なかった。

歳をとってラッパーになるなんてクレイジーなことをし始めてから、演技やファッションも同じように出来ると考え始めたんだ。「もしかしてファッションを勉強したほうがいいのかも。」って思った時もあったけど「そうでもないな。」って。知識なしでも、自分が出来ていると思えたから。まだNIGOがBapeにいた時一緒にシャツを作ったり、最近だとA.P.C.とも服を作ったよ。

NIGO : 
僕は服を作り始めた頃は自信がなくて。全く服も売れなかったし。でもその頃、スタイリストやDJの仕事で食べれていたから服作りは楽しいからやっていたんです。

本を読んだ訳でもなく、素人として服を作ったからこそ、誰も作ったことのない新しいものが作れたんです。それが時代に受け入れられて、ラッキーだったと思います。

と、障壁の高そうな分野である服作りであっても、チャレンジすれば実現は可能であり、むしろ本から得た知識がなかったからこそ、新しいものが作れたんだ。と語ってくれている。

一方、カニエ・ウエストのジョイント・アルバム『Kids See Ghosts』以来の新作が待望されているカディは、現在制作中の作品についてこう語った。

 

キッド・カディ :
年が明けるまではリリースする予定はないから、あんまり多くのことは言えないけど、これは言っておくよ。
俺は今ネットフリックスの番組の製作に携わっていて、その作品はKenya Barrisがプロデュースしているんだ。俺自身の次のアルバムはその番組のサウンドトラックになる予定だね。番組のストーリーを描くような曲さ。
俺からの視点というよりは、登場人物からの視点って感じかな。

ーー いつもとは違うアプローチだね。

キッド・カディ :
いつもとは違う感覚だね。楽しいよ。こんな風に歌詞を書くのはエキサイティングだし。すでに8個のスタジオ・アルバムを出してるから、何か変化が欲しかったんだ。

ーー 他の人になりきって語るって面白いね。というのも、これまでの作品はかなりパーソナルな内容だったし。なんでそんな風に作品を作ろうと思ったの?ある程度はあなたらしさがあるの?それとも全くあなたとは関係ない?

キッド・カディ: 
関係ないね。このアルバムのうち多くの曲が「愛」や「人間関係」を歌ったものなんだ。俺は今、特別な存在はいないし。
だから単純に、俺のイメージやキャラクターになりきって書いたかな。
俺にとってはそれがエキサイティングだったんだ。『Kids See Ghosts』以来、言いたいことは言い切った。って感じだったし。

『Kids See Ghosts』は自分のためのアルバムだった。続作をすぐに出そうとは考えてなかったけど、5年は期間を開けようと思ってたよ

ーー 5年はかなり長いですね。

キッドカディ: 
でももっと他にやりたかったことがあるんだ。今はHBOでミニシリーズの映像を撮影しているところだし。(HBO = アメリカの有料チャンネル)

ーー『Kids See Ghosts 2』はいつか出るのかな?

キッド・カディ: 
Kids See Ghosts としてアルバムは出すよ。すでにカニエは2作目を作ろうって言ってきてくれたし。
でも変な話でさ、彼が「ファーストアルバムを作る」って言ってきたのもどれほど真剣なのか知らなかったんだ。ただの思いつきのアイデアかと思ってたから。
でも実際は、彼は俺を家に招き続けてビートを聴かせてくれた。その時ようやく思ったんだ「彼は本当に本気だった」って。
精神的な部分を描くアルバムを作りたいっていう彼の話を受けて「いいね、まさに俺のやりたいことだ。」ってさ。

だから新しい作品も絶対に出すね。

日本、そして世界のストリート・ウェアを牽引してきたNIGO。その元でショップ店員として働いていたキッド・カディがアーティストとして、服をどんな風に作ってきたか、現在製作中の作品、カニエとのユニットKids See Ghostsの新作について語ってくれた。
『Kids See Ghosts 2』という名称でのアルバムのリリースは早くとも5年はかかりそうだと語ったカディだったが、前アルバムの続作とは異なる新たなプロジェクトを製作する予定があると明言した。

ネットフリックスでのTVショーに合わせたソロ・プロジェクトも勿論楽しみだが、ユニットとしてのアルバムにも期待がかかる。

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