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Rap Rader : Youtube

「次の10年で世代交代ができると証明する」

ドレイクが自身の作風の変化、2020年代への決意を語る

DECEMBER 27, 2019

クリスマス・イブ、12月24日にニューシングル” WAR “をYoutubeにてドロップしたことも話題になったカナダ・トロント出身のラッパーDrake(ドレイク)

2010年代が終わりを迎えようとしている今、ここ10年の顔とも言えるラッパーがRap Raderのインタビューに登場。キャリアのスタート、今年を振り返って、2020年代に向けてなど2時間に渡り、様々なことを語ってくれたので紹介していきたいと思う。

彼はラッパーでありながらキャッチーなメロディを「歌う」ことで今までにない大ヒットをラップ・ソングで生み出してきた。” Hotline Bling “や” God’s Plan “がその代表例だが、それらのキャッチーな曲の多くは彼自身が意識的に生み出してきたのだという。

ウェインと出会って、自分のゴールに気づいたんだ。それはリリカルでありながら、キャッチー であること。

それに、俺にとって最も大きな変化は「パフォーマンスを理解したこと」だと思う。
ウェインや自分のライブを見て、曲がどんな風にパフォームされ、来場者に反応されるかを確認するようになったんだ。

そこで気づいたんだ。「オーケー。俺はR&Bやスローでメロディックな音楽を作るのも好きだけど、ファンたちが叫ぶように俺のリリックを歌っているのも素晴らしいな」ってね。
みんながリリックを歌い返してくれたり、モッシュをして、クレイジーなほど盛り上がっているのを見ると、自分もエネルギーをもらうんだ。
そういう意味で” Best I Ever Had “のような曲は物足りなくも感じた。

長いこと音楽をやってきたけど、まだ俺は曲を作るのが好きなんだ。新たな挑戦もすることも楽しいしね。だから常に新たなチャレンジを求めてる。
よく人に聞かれるんだ。「なんでいきなりアクセントを変えたんだよ?」とかね。違うんだ。ずっと同じことをやるわけにもいかないし、俺は新たなことを自分の手でやって見たい。実際やったことは失敗していないとも思ってる。良いことだね。

彼自身、おそらくファンも否定的ではないが、デビュー・ミックステープ『So Far Gone』、ファースト・アルバム『Thank Me Later』、セカンド・アルバム『Take Care』はR&B、メロディックなサウンドがアルバムの中心であり、ライブで盛り上がる昨今のヒット・ソングとは少し異なるカラーの作品が多かった。その作風が変化したのは、彼を音楽シーンに引き上げたリル・ウェインの影響だったようだ。

先日公開されたシングル” WAR “はまさに「アクセントを変えた」例だろう。2017年にリリースした『More Life』で多くのUK出身アーティストをゲストに迎えて以降、彼の作品にはグライムなどのサウンドが色濃く影響しているように思える。この「変化」は彼の言うところの新たなチャレンジなのだろう。

彼は従来のヒップホップ・シーンに蔓延していた「男らしさ」の像に従わない、キャッチーかつ新たなヒップホップ・ラップミュージックを生み出してきた。そのスタイルを生み出すきっかけとなったのは、意外なアーティストから影響を受けたことが理由だそう。

多くのアーティストに影響を受けてるよ。多くの人が俺をインスパイアしてるんだ。でも明らかに50セントの” 21 Questions “は最も影響を受けた曲だと言えると思う。「歌おう」って意識してるわけではないけど、彼は歌ってるんだ。
カニエの『808s Heartbreak』も影響を受けた作品の一つだね。

2000年代を代表するラッパー、50セントが2003年にリリースしたアルバム『Get Rich or Die Tryin’』の収録曲” 21 Questions “は彼が自身のスタイルを形成する上で欠かせない作品だったという。リリックやスタイルでは50セントとドレイクは全く異なるタイプのラッパーであるので、彼の名前が登場したのは非常に意外であった。

また、彼はインタビューにて、ここまでのキャリアで公開してきた作品についても振り返っている。どの作品にも誰もが知るようなヒット・ソングが収録されており、彼自身も順位をつけるのは難しいとは思うが、曰くお気に入りの作品は決まっているようだ。

『Nothing Was The Same』が最も簡潔かつ、多くの良い曲を届けることのできたアルバムだと思う。曲数が多すぎることもないし、他の作品とは「違うこと」をできたと思う。

『So Far Gone』や『Take Care』をクラシックであると語りながらも、2013年にリリースした3枚目のスタジオ・アルバム『Nothing Was The Same』を最もお気に入りの作品であると彼は明かしてくれた。
直近数作品で20曲前後をアルバムに収録していることもあり、コンパクトに収まりながらもハードに仕上がったことが選出の理由だったようだ。

音楽シーン全体について話題が移ると、彼は自身にとっての「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を発表してくれた。

サグ(Young Thug)(の『So Much Fun』)が今年のアルバム・オブ・ザ・イヤーだと思う。
彼かBaby Keem
(ベイビー・キーム)の『Die For My Bitch』が俺にとってのアルバム・オブ・ザ・イヤー2選だ。

ドレイクの考える今年のベスト・アルバムは『More Life』にもゲストとして参加していたヤング・サグの『So Much Fun』、ネヴァダ州ラス・ベガス出身のラッパー、Baby Keemの『Die For My Bitch』だそう。

ドレイク自身もヤング・サグから” Bad Bad Bad “のビート、ヴァースを送られ、作品への参加オファーを受けていたものの、メッセージを見逃してしまい参加は見送りになってしまったというエピソードも明かされている。

インタビュアーが現在ヒップホップ・シーンを代表するMCの3人としてケンドリック・ラマー、J.コール、ドレイクを挙げ、それぞれが2020年代、これから10年間がどんな年になると考えているかを彼に尋ねると、彼はこう答えた。

俺たち3人全員が世代交代ができるということを証明する10年になると思う。ジェイ・Zがそうしてきたように、リル・ウェインがHot Boyzの時代を経て、” Show Me What You Got “のフリースタイルで火をつけたようにさ。

ジェイ・Zやリル・ウェインのようなラップ・ゲームの先頭を走ってきたアーティストの後を追い、彼らはまさにそのバトンを手にしようとしている。彼ら、そしてドレイクは2020年代、どんな作品、そしてムーブを起こすのだろうか。ドレイクはきっと次の10年も、新たなチャレンジを行いながら突き進んでくれるだろう。その決意を感じさせてくれるインタビューだった。

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