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The Line of Best Fit

「フックだけの男にはなりたくない」
Brent Faiyaz、最新アルバム『Fuck the World』の制作の裏側を語る

FEBRUARY 11 2020

バルティモア / ワシントン・DCの郊外に位置するメリーランド州ハワード郡・コロンビア出身、3人組グループSonder(ソンダー)のヴォーカルBrent Faiyaz(ブレント・ファイヤツ)が先日セカンド・アルバム『Fuck the World』をリリースした。

ジョン・ケーニッヒというアーティストが作り出した” Sonder “という単語は「私たちはみんな自分自身のことを主人公と思い、他の人達は自身のストーリーのエキストラとみなすこと。しかし現実には、私たち全員が主人公であると同時に全員が他の人の人生のエキストラであることに気づく。」という複雑な感覚を意味する言葉だ。(by The Dictionary of Obscure Sorrows)

そんな感覚をデビュー・アルバムのタイトル(『Sonder Son』)につけた彼の作品、そして歌声は、非常に繊細でどこか儚い、まさに上記のような言葉にし難い複雑な感情を歌に表現しているように聴こえる。

最新アルバム『Fuck the World』は、生まれ育ったアメリカだけでなく、ロンドン、パリで過ごした彼の経験が落とし込まれた作品となった。彼はこのプロジェクトをどんな想いで、どのように制作を行ったのだろうか。Complexによるインタビューでそれらを語ってくれていたので、紹介していこうと思う。

『Fuck the World』を制作する時、俺はどんな風に作品にアプローチしようとか、聴いてくれる人がどんな風に受け止めるのかを一切考えることがなかったんだ。表現して心地よければ、他のことは本当にどうでもいいってね。たた楽しんだだけ。より「仕事感」を無くしたら、より良いプロジェクトが生まれた。アーティストとしてこの状態が自分の中で一番完璧だと思う。

最も自然な状態で作り上げたからこそ、このプロジェクトはどんなジャンルにも当てはめ難い。確かにそのサウンドは非常にソウルフルであることは間違いないが、彼は様々なジャンルの音楽を吸収し、その感性をありのままに表現している。

俺はただミュージックを作っているだけ。そして多くの異なるジャンルの音楽を聴くんだ。思うに俺が「R&B」だと言われるのは、俺が黒人で、ソウルフルな声を持っているからだろう。だから「R&B」の看板を背負ってる。けど明日にもレゲエ・アルバムを作ることだってあるかもよ。

先行シングル” Fuck the World (Summer in London) “のMVを代表例に今作はロンドンやパリでレコーディングを行った曲も多く収録されているようだが、異国の地での経験を彼にどのような影響を与えたのだろうか。

異国に行った経験はこの作品に大いに影響している。俺たちチームは全く異なる国々、街のスタジオでレコーディングをしてきた。俺はファッションの世界にも足を踏み入れていたから、ショーを見たり、実際にショーでウォーキングしたりもしたんだ。
そう行った経験が新たな曲を形作るきっかけに本当になったと思うね。そこにある光景を見て、浸ってみる。そして家に帰って、ファミリーに会うんだ。場所が違っても変わらないものと、異なる部分を理解できたね。

特に注意深く見ていたのは、人からもらえるエナジーだ。そして俺が人に与えているエナジーが一体どういうものなのかを考えていた。
色々なところに行けば行くほど、俺の音楽に対してどんな感想を持つのかは、本当にそれぞれなんだよ。どんな部分が好きで、どんな部分に共鳴したか。とかね。

彼は異国の光景、空気感、そして特に人が発するエナジーが一体どんなものなのかを注意深く観察していたと語る。
また彼は昨年9月に開催されたNY・ファッションウィークでKerby Jean-Raymondがデザイナーを務めるブランドPyer Mossのランウェイを歩いており、音楽だけでない様々なエッセンスに彼がここ数年間で影響を受けてきたことがわかる。今作のアルバム・カヴァーのファッションもかなり熟考したらしく、インタビュー中には「永遠に決まらないと思った」というコメントを残すほど、こだわりがあるという。(結果的に「クラシック」を基準にカーハート、ジーンズ、チャック・テイラーを選んだそう)

(HIGHSNOBIETYにてファッションについて語る動画)

(NY・ファッションウィークでのパフォーマンス)

彼は自身のソロ作品、Sonderとしての活動で数作品を残してきたが、未だ「Crewのヒットで話題の」という前置きで紹介されることが多い。彼はヒット・ソング” Crew “に対して、どのような考えを持っているのだろうか。

まさかあんなに世界的なヒットになるとは思っていなかった。「どうなってんだ?」って思ったよ。未だにみんなあの曲を覚えているしね。キャリアにも影響したと思う。

発見の方法や、アーティストを聴き始める方法はなんでも良いと思ってるんだ。ただ俺の本当の物語は、やっぱり自分自身のソロ作品にあるとは思っているよ。だから” Crew “の後は沢山コラボレーションに参加していないんだ。俺は「フックの男」になりたくないからね。まだ早すぎるよ。
俺は自分の存在を確立させたくて、コラボレーションを行ったんだ。ヒットの方法が変わってくるから。よりインパクトがあるでしょ。

” Crew “のヒットは彼自身も予想だにしていなかったようだ。自身の存在を知ってもらう「きっかけ」として、コラボレーションは良い方法であると語りながらも、今作のようなソロ作品を聴いてもらうことを彼は第一のプライオリティに置いている。
実際に彼はすでにその名前を知らしめ、セカンド・アルバムをリリースするに至ったわけだが、最後に今後の活動についても楽しみなコメントを残してくれた。

この「Lost Kids」の物語を続けるよ。これは当初から思い描いていたビジョンだ。音楽、映画、ファッションにフォーカスして、全てに踏み込んでいきたい。今俺は脚本を書いたり、コラボレーション・マーチ(マーチャンダイスを作っているところなんだ。全てを模索してるよ。
それだけじゃなく、すべてのエンターテイメントをあらゆる段階で取り組んでいきたいんだ。

ブレントの最新アルバム『Fuck the World』はリリースされたばかり。是非チェックして見てほしい。

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