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Rolling Stones

「まだNYのキングにはなれていない」
A Boogie wit da Hoodieが『Artist 2.0』で辿り着いたゴールと新たなスタート

FEBRUARY 15 2020

NY・ブロンクス出身のA Boogie wit da Hoodie(エイ・ブーギー・ウィット・ダ・フーディ)が、デビュー・ミックステープ『Artist』の続編、そして3枚目のスタジオ・アルバムとなる『Artist 2.0』をリリースした。

今作には” King of My City “のように彼の自信を顕著に表した楽曲や、” Cinderella Story “のように単に恋愛模様を描くだけでなく、女性との深い信頼関係を描く楽曲が収録されており、自信 / 表現の両面がさらに増幅していることを感じさせるが、彼はどんな考えを持ちながら、どのように今作を制作したのだろうか。インタビューを中心に紹介していこうと思う。

何よりもまず、誕生日おめでとうMelody(娘)。バレンタインデーに作品をドロップした一番大きな理由はそこだよ。
そして前作を引き継ぎ、同じ日にドロップしようと思ったことが2つ目の理由かな。(ミックステープ『Artist』は2016年2月14日にリリース)Billboard

3歳を迎えた愛娘のMelodyの誕生日に合わせリリースしたという新作。
『Artist』 ではピアノのサウンドが多用されていたが、今作にはそれがギターに変わり、サウンド面でも変化を見せてくれた。また、前作に比べ顕著に異なるのは、その豪華なゲスト陣だろう。
Roddy Ricch、Gunna、DaBaby、Summer Walker、Khalid、Lil Uzi Vertと若手中心に今注目すべきアーティストたちが参加しており、彼がラッパーとして、いかに成り上がってきたかを感じさせる。

特にLA・コンプトン出身のラッパーRoddy Ricchとは仕事に限らず共に仲が良いようで、インタビューでも「デイ・ワン・フレンズ(昔からの親友)って言うだろ?まさにあんな感じかな。」と同世代のラッパーへの厚い信頼を見せた。

2018年、インスタグラムにて「NYのキング?ジェイ・Z以外なら、俺の他にはいないだろ?」とポストしたことを踏まえ、先行シングル” King of My City “で地元ブロンクスをレペゼンしながら「I be feeling like the king of my city – この街のキングになった気分だ。」と歌う彼を見れば、やはり今作は彼の「NYのキングたる自信」を更に堅固にしたプロジェクトなのだろうか。

「この作品」が自信を強めたとは言わないね。俺の作品はこの4年間で出してきた全てだ。だから1つの作品が全てってわけじゃない。
たった1年や2年で成し遂げられるわけじゃない、大事なのはプロセスだ。「なんでお前はNYのキングだと言われているのに、あまり自信を持たないんだ?」とみんなに聞かれるのはそれが理由さ。
俺はまだそこ(NYのキング)には到達していない。それはまだ俺自身に成長の余地があると思っているからなんだ。
俺には実績もある。けど、まだ俺は終わっちゃいない。俺は色々なことを学んできた。全てをマスターしてはいないんだ。レコーディングなんかはマスターできたけどね。
でもまだ全てをマスターできていないんだ。まだ時間はあるしね。わかるでしょ?– Billboard ”

彼は1995年生まれの24歳。その若さながら地元ニューヨークのバークレイズ・センターやマディソン・スクエア・ガーデンでもパフォーマンスを行った実績と、確かな自信を持ちながらも、自身には未熟な部分もあると自覚し、同時に向上心も持ち続けている。
Apple Musicのインタビューで「ライブのパフォーマンスにおいて、まだ改善できる部分がある」と語るなど、「現時点がゴールではない」という強い意志を表明してくれた。

俺は自分で自分にスイッチを入れるんだ。ただ物事に不満を言うだけなんて嫌いだね。誰かと言い争ったりさ。– Apple Music ”

彼はこの作品をリリースするまでに数百曲を作るなどハードに制作を行ってきた。今作リリース後には、音楽活動を一時休止するつもりだと言う。

ああ、少しね。ただ「休む」って感じではないね。30歳までにやりたいことがあるんだ。何をするかは言えないけど、達成できたら話すことにするよ。より大きくなって帰ってくる。だから「休む」わけじゃない。– Billboard ”

デビュー・ミックステープ『Artist』をスタートとするなら彼にとってこの作品は、一種の区切りとしてのゴールだったのかもしれない。彼の活躍が少しの間見られないのは寂しいところだが、音楽から一時的に離れ、新たなスタートを切ることを決めた彼が「NYのキング」を目がけ突き進んでくれることを期待するばかりだ。

今作には20曲が収録されているが、未公開の数曲を加えたデラックス版の存在も明らかにしており、そちらも非常に楽しみだ。

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