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HYPEBEAST / Daniel Prakopcyk

「自分自身が最も厳しい批評家にならないと」
PARTYNEXTDOOR、自身の完璧主義と『PARTYMOBILE』のコンセプトを語る

MARCH 29 2020

Drake, Noah 40 Shebib, Oliver El-Khatibが率いる、カナダ・トロントを拠点にするOVO Sound には才能溢れるアーティスト・プロデューサーが所属している。PARTYNEXTDOOR(パーティネクストドア : 以下PND)もまさにその一人だ。

18歳の頃、自身初となるミックステープをリリースしたPNDはOVOにとって初の契約アーティストだ。デビュー直後にDrake『Nothing Was the Same』に参加、その2年後にはRihannaのヒット・ソング” Work “に参加するなど、彼に向けられるスター達からの期待と、その結果は確固たるものである。

若いながら、すでに大きな成功を収めてきた彼が先日、3年半ぶりとなる待望のスタジオ・アルバム『PARTYMOBILE』をリリース。ソーシャル・メディアにおける露出も少なく、謎に包まれた彼が新作に込めた想い、制作のプロセスについてHypeBeastにて語ってくれたので、引用・紹介していこうと思う。

興奮してるよ。超興奮してる。P1(『PartyNextDoor』)以来の興奮だ。興奮の理由は、作品のストーリー、音楽そのもの、世に送り出すこと、個人的な期待、ドロップするまでにかなりの時間をかけたことかな。

PNDはデビューから『Seven Days』(『PARTYMOBILE』以前の最新プロジェクト)まで、1年〜最長でも2年と比較的コンスタントに作品をリリースし続けていた。今作はリリースの延期もあり、彼の作品中ではかなり「温め続けた」作品にあたるのだろう。今作に時間をかけた理由は彼の制作のプロセスに由来するそうだ。

曲を作るときは、1日で全てを完結させることはない。たとえ完成させることができてもね。机に座って、作り上げる時間というと、最終的に完成させるまでに1ヶ月〜数ヶ月はかかるよ。

自分のやり方で、完璧だと思ったものを作る。だから自分でも「完璧主義」だと言える。みんながそう言うように。”

また、彼の制作における「完璧主義」は、普段の音楽の視聴にも影響しているそうだ。

昔影響を受けたような作品や、リリースされていないものばかりだけど、自分の作品をたくさん聴いていたね。自分が自分の作品の最も厳しい批評家にならないと。それって大事だと思うから。

彼が今作のリリースまでに3年半の年月をかけた理由はそれだけではない。その理由は彼がインタビュー中で、今作『PARTYMOBILE』のタイトルの意味に関するコメントで明かされている。

ドライブをしていた時にそのワード(PARTYMOBILE)を見つけたんだ。去年の夏から、秋にかけての間くらいだったかな。自分のレンジ(・ローバー)に携帯を接続した時、スクリーンに「Party : Mobile」と表示されたんだ。それが理由だよ。目に入って、「ドープだ」って思ってね。

気持ちが落ち込んでいたこともあって、一時期、家から出ない期間があったんだ。けど外出が増えてきたタイミングで、今作のテーマとなるような作品ができた。家から外出する時の気分が込もったやつをね。

今作は「気持ちが落ち込んでいた」時期を乗り越えた後に制作されたそうだ。おそらくKehlani との浮気・破局騒動を指すのだろうが、この発言を鑑みれば、今作の「セラピー的」なコンセプトやテーマも明確になってくるだろう。特に今作のソング・ライティングにおいて彼はその心境を大いに反映している。

君にとってのニュースは 俺にとってニュースでも何でもない
君にとってのニュースは
俺にとってはニュースじゃないのさ
君にとっての「青」は 俺にとっての青じゃないから
青じゃないんだ 俺にとっては何も驚きじゃない

君が俺にふさわしい? そんなわけないだろ
でも俺は君を手放すことができるのか?– The News

“ “ The News “は曲を作り終えた時、すごく心が楽になったんだ。こういった曲は俺のセラピーだよ。特にこの作品のレコーディングはかなりエモーショナルで、ディープだった。ヴァースの途中、かなり心もろくなっている瞬間があるとわかるはず。

” Split Decision “, ” Trauma ” , ” Never Again ” 。タイトルからもわかるように人間関係をテーマに綴った作品群には、過去の作品以上にその感情がさらけ出されている。サウンド面で、前作『PartyNexrDoor 3』からの大きな変化が見られないことは各メディアからも指摘されている通りだが、ショッキングな出来事と、人間関係、それらに翻弄される心脆さに向き合うPartyNextDoor らしさに加えて、前を向くポジティブさが兼ね備えられた、そんな作品だったように思う。

Rihanna との” BELIEVE IT “, Drake & Bad Bunny を迎えた” Loyal (Remix) “などの豪華ゲストを迎えた作品も勿論、アルバムを通して是非チェックしてほしい作品だ。

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