NAV GOOD INTENTIONS

WORLD RED EYE

NAVが『Good Intentions』で取り戻した自信
過去作から「音楽への興味」が変化したと明かす

May 10, 2020

カナダ・トロント出身のアーティストNAVナヴ)がニューアルバム『Good Intentions』を提げ約1年ぶりに帰ってきた。、18曲50分と2分台中心のミニマムな仕上がりになった今作は、先行公開されたTravis Scott, Gunna との「Turks」含め、多くのゲストと共により軽やかなサウンドを見せている。

前作『Bad Habits』でスランプを乗り越えたNAV は今作で自信を取り戻している。「Brown Boy」でヘイターの視点に立ち、ヘイトの裏側にある羨望の目線が自身に向けられていることを堂々と歌う。
「今はメロディもビートを作ってる。ただラップをして「曲ができた、終わり」ってだけじゃなくてね。」そう語る彼が手にした自信はリリックだけでなく、プロダクション全体へ還元されている。

Young Thug, Future, Travis Scott, Lil Uzi Vert, Gunna, Pop Smoke, Don Toliver, Lil Durk など現行のシーンを代表するゲストを迎えた作品の制作やコンセプト、ゲスト陣との関係性についてComplex のインタビューで語ってくれたので、引用、紹介していこうと思う。

前作『Bad Habits』と今作『Good Intentions』のコンセプトは繋がっているように見えるけど、この2つのプロジェクトの関係性を教えてくれない?

前作と同じようなクリエイティブな頭の使い方、働き方を持って制作を行ったよ。内容でいうと、今作の方がより内省的で、より正直なものになってる。「Good Intentions」を思いついたのは、制作の最後の最後だったんだ。その曲中で俺は「俺には悪い習慣がある、そして俺は善意も抱えてる」と歌ってるんだ。アルバムのタイトルになるのも理解できるでしょ。その時はスッキリしたね。ずっとアルバムのタイトルを思い悩んでいて、何も浮かばなくてね。それまでは自分たちの作品に共鳴するようなワードがなかったんだ。

今回の作品は全て『Bad Habits』以降に書かれたもの?それ以前のものを入っているの?

今回のアルバムはすごくホッとした気持ちで制作に臨めたよ。『Bad Habits』を作ってる時はストレスを溜め込んでいてね。「良いアルバムを作れなかったら、俺のキャリアは終わりだ」と思ってた。思い込みだったのかもしれないけどね。

結局前作は全米1位を獲得できて、過去最高のセールスを叩き出した。だからスタジオにより自信とリラックスを感じて戻ることができたんだ。人の考えを気にすることなく、今回の作品ではより正直に言葉を語ろうとね。

「Brown Boy」であなたは自分自身を他人の視点から物語っているよね。普段からリスナーに「見られている」ことをよく意識しているの?

あの曲が出来た背景が面白いんだ。Recしてた時、俺はヴァースからあの曲を始めたんだけど、それをフックに置き換えた。あの曲は実際にフックから始まるんだけど、デモを聴いていて「もしフックを出だしに持ってきたら、その後のラインを聴いた人はきっと『これ違う人の視点から歌ってるのか?』って思うんじゃないか」と思ってね。

リリックの内容は俺のコメントから取ってきてる。昨日、俺がPop Smoke をアルバムに招いたことに反応している人を見たんだ。そいつはこう言ってた「彼はどうやって、こうも色々な曲を出せるんだ?」とね。「君のような人たちがいるからだよ」と答えたいね。

Pop Smoke との二度目のコラボレーションがアルバムには収録されているね。彼の死の前から親交が深いように見えたけど、彼との関係性は?

俺は人生を生きる上での決まりを沢山設けてる。マニフェストっていうのかな。Pop Smoke と出会った時、俺はスタジオ・ワークにおいて「期待しない」ことの重要性を学んだなんだ。そういう心持ちだよ。
誰かとセッションするとして、3曲作る意気込みでスタジオ入りして、2曲は出来たけど、1つ好みじゃない物が出来たら失望するだろ。俺は期待をせずに仕事に打ち込むことを学んだ。

俺はその日、Pop Smoke に会えることを知らなかったし、Meek に会えることも知らなかった。彼はスタジオの別の部屋に居たんだよ。そこでMeek とチルしていて、俺は自分のスタジオに戻ろうとした。そうしたらPop Smoke がMeek とスタジオに入っていくのが見えたんだ。俺は彼との共演を心待ちにしていたから、そこで自然に制作が行われたね。もし期待をしなければ、何が起きるかの可能性は無限大だ。

「Run It Up」は間違いなくPop の作品のサウンドとは異なったものだよね。

俺たちで一曲ドリルをやって、俺もドープだと思ったんだ。でも彼は、むしろ俺の作品のような曲を作りたいと言ってくれた。このアルバムに入ったのも、それが理由だね。ファンのみんなにはPop のいつもとは違う側面をチェックしてほしい。彼がみんなが思っているより多才だった。

Don Toliverとの「Recap」も一聴して、際立ったサウンドが披露されていたと思うけど、あなたは彼のことをずっと応援していたよね。彼の知名度が上がって、こうしてついに共演することができるのは、どんな気持ち?

クレイジーだよ。彼とは『ASTROWORLD』の制作で、ハワイに訪れた時に出会ったんだ。彼のことは全く知らなかったけど、彼は単純にクールな男だった。本当に謙虚だし、彼への賞賛もあって当然だと思う。そういうアティテュードは人をビッグにさせるね。

俺も同じような態度を取ってきたと思っているから、人気を伸ばしている彼の姿に昔の自分を照らし合わせてる。彼は今作に本当に参加してほしい、彼の曲を聴きたいと思った数少ないアーティストの一人だ。彼は本当に作品に対して真摯に向きあっているし、ドープだよ。彼は友人としても好きだね。だから音楽の制作もやりやすいんだ。

あなたの声と彼の声が調和して、ユニークな質感を生み出しているよね。

最初に音楽の制作を始めた時、「俺の声って変だな。好きじゃないよ。」と思っていたものさ。でもその声が俺をユニークな存在にしてくれたり、ゲスト参加で話題を生んだんだ。だから俺と他のユニークな声が組めば、みんなも好いてくれる。Gunna やUzi と曲を作るといつも、お互いの声を比較しあってるね。

あなたはツイッターで、モチベーショナル、インスピレーショナルなメッセージを投稿しているよね。こういったメッセージを発信することはなぜ重要だ思う?

紙とかに何かを記しておくと、頭の中によく残るだろ。だから、俺も何か役に立つようなものがあったら、ツイート、周りの人にシェアすることはそのメッセージを覚えておくのに良い方だと思うんだ。
まあ間違いなく「黙れよ」と言う人もいるだろうけどね(笑)。わかってるよ。だって俺もそう言われ続ける生活を送ってきたから。
誰かがモチベーショナルなことを言っても俺は「黙れよ。この先何が起きるかわからないだろ」って感じだったんだ。でも良い目的を持って発信すれば、誰かのためになるはずさ。

あなたは過去の作品において、色々なレベルでプロダクションに関わってきたよね。『Bad Habits』には深く関わっているけど、『Reckless』はそうでもないよね。今作においてのあなたの役割はどんなものだった?

より良い方法を見つけたんだ。この作品でね。どうにかして、自分のサウンドを見つけるための羅針盤を見つけた気がするんだ。自分が手を動かしていたんだよ。『Reckless』の時にはビートの上に歌を乗せて、帰るだけだった。音楽のことを気にしていなかった。それ以外のことばかり気にしていた。

今はメロディもビートを作ってる。スタジオに座ってビートをリアレンジしたり、クレジットも乗らないこともあるけどね。ただラップをして「曲ができた、終わり」ってだけじゃなくてね。

学ぶことをやめたら終わりだ。アーティストなら、プロデュースをせずにエンジニアだけやることはできない。プロデューサーでありながらエンジニアではない、なんてありえないんだ。複数のことをこなさないと、だって物事が移りゆくのは本当に早いから。

あなたはここ数年間で登場した若手の世代に当たると思うんだけど、まさにマルチ・ハイフュネイト(スラッシャー、複数の肩書を持つ人)なミュージシャンという考えを取り込んでいるんだね。

もしミュージシャンなら、少なくとも楽器を一つくらい弾けないといけないという考えがあると思うけど、俺はその意見に100%賛成はできない。けど自分の作品にどんなキーが入っていて、どんな譜面であるかは理解した方が良いと思う。今みんなは音楽的なことを気にしていないように思えるんだ。良い音楽には何があって、音がどんな風に作用しているから、良い音楽が生まれるのか。とかね。コード進行を気にせず、音楽を気にしないのなら、音楽的に進歩することはないだろうね。

The Weeknd は『Bad Habits』と、このアルバムで共同監修しているよね。興味があるんだけど、彼の作品への関わりはどんな形で行われたの?

Abel は俺がまだデモを作っている時から関わってくれている。彼は何曲かいじってくれたり、ゲストとして参加したり、シークエンスに関わってくれたりした。俺とCash で『Bad Habits』のトラックリストを決定した時も、彼だけが誤字に気づいてくれた。彼が全てのことに注意を払っていることがよくわかるよね。

音楽的には二人のサウンドは違うと言ってもいいと思うし、だからこそ彼のインプットは価値のあるものだよね。

彼のクリエイティビティ、そしてクリエイティブなスピリットはクレイジーだよ。俺とAbel が一緒にいたら、彼はまるで高校の友人のように語りかけてくる。あの頃と何も変わらないんだ。俺たちはただのトロントの少年だから。けど、彼は作品を作り始めると、俺と違うカラーを見せるんだ。

前作のインタビューで、あなたはメディアに対してもっとオープンになっていきたい、より自分の姿を見せたいと語っていたよね。それは成功したと思う?

自分に自信を持てて、インタビューに対応する準備ができていることは、俺にとって良いことなんだ。インタビューなしで、ソーシャル・メディアでの描かれ方だけを見れば、そこにストーリーや、判断を簡単にされてしまいがちだよね。けど、YouTube で自分の出てるインタビューのコメント欄を見たら、「彼はこんなに謙虚なのか」とか「彼はこんなに冷静でスマートだったんだ」という声に溢れてる。「そんな風に思われてたのかよ」って思ったね(笑)。みんなが俺のことを知ってくれて嬉しいと思うし、間違いなく、インタビューは役に立っているよね。

俺が子どものことは、アーティストのインタビューをずっと見たくて仕方なかったし、彼らが飯にどんなソースをかけているからすら知りたかった。アーティストの全てが知りたかったんだ。

インタビューのフルverはこちらからチェックできる

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