「とにかく成長した自分を表現したかった」| Lil Keedがシリーズ最終章『Trapped On Cleveland 3』で見せる変化
August 14, 2020
若手ラッパーの登竜門として、世界中のヘッズたちから注目を浴びるXXL誌の「Freshman Class 2020」が発表された。シカゴのPolo G、ニューヨークのLil Tjay、LA(生まれはラス・ベガス)からBaby Keem など、次世代のラップ・シーンを代表するアーティストたちの中で、アトランタのLil Keed は彼らと同等、もしくはそれ以上の輝きを放っている。
XXL
同じブロックで育ったアトランタのレジェンド Young Thug 率いる YSL に所属するラッパーは、その制作スピードをもってして、たった3年で誰もが目を見張るサクセス・ストーリーを描いてきた。 そんな彼のセカンド・アルバム『Trapped on Cleveland 3』はシリーズ前作『Trapped on Cleveland 2』から2年、デビュー・アルバムのリリースから、ちょうど1年ほどの期間を空けて公開されたわけだが、数ヶ月、長くとも半年単位で作品を披露してきた過去のスパンに比べれば、今作は比較的時間をかけて制作・リリースされた作品であると言えるだろう。
新作のリリースに合わせ、掲載されたComplexによるインタビューで彼は、セカンド・アルバムに時間をかけた理由、過去作品からの変化、将来のビジョン、Young Thug から得た学びなど、今の心境を語ってくれたので、抜粋し紹介していこうと思う。彼の魅力である「ありのままの思いを言葉にする」というメンタリティと、自分自身の才能を疑うことのない自信が一層伝わってくる内容になっている。
―シリーズの前作『Trapped On Cleveland 2』のリリースは2018年だったね。どうして今回のリリースまで2年かかったんだ?
Lil Keed:今までの『Trapped on Cleveland』シリーズのアルバムを聴いてたら分かると思うけど、俺はどんどん成長してる。だから、今までの2つのアルバムはただのミックステープに過ぎなくて、今回のリリース作が本当の意味でアルバムなんだ。前作2つをリリースしてる時期は、今ほど大人になれてなかった。ただその時に知っていたことを曲に表現してただけなんだよ。今君たちが前作2つのアルバムを聴けば、ワードのチョイスやバースの作り方が今ほど成長してないって分かると思う。今回のリリースが『Trapped on Cleveland』シリーズで最後だから、とにかく成長した自分を表現したかったんだ。皆を俺の世界に引き込んで、俺が経験したことや俺の人生もすべて分からせるよ。
L:そうだね、もう動き始めてるよ。ちょうど昨日からかな。効率的にやってて、一生懸命やってるって感じじゃないけど。昨日はもともと『Trapped on Cleveland』のために作った曲を作り直したんだ。実は今までのアルバム全部もう一度練り直して作ったりしてて、こういう曲は今回のアルバムに入ってない。だいたいは2,3か月の自粛期間中にやったよ。
ステージのパフォーマンスについては、俺のが上手いと思ってる。あいつはそんなにたくさんライブをやってないからね。俺は小さい頃から路上でもマイクを持ってやってきた。だから俺はステージでパフォーマンスをしたり観客の心を掴むのが得意なんだ。ライブが再開すれば、あいつは大きなステージにも立てる。 Rolling Loudのステージも経験したけど、まだあいつは緊張してたからな。俺はあいつよりいろんな人とコミュニケーションを取ってるから緊張しないけど。あいつは自分の周りの奴としかつるもうとしない。大人数で出歩くのがあんまり好きじゃないんだ。俺は好きだけどね。たくさん刺激をもらえるし。