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Sideline Story

Sideline Story (2011) : Track 6

2011年リリース、J.Cole初のメジャーアルバムであるSideline Storyから6曲目 ” Sideline Story “です。
アルバムのタイトルにもなっているこの曲は、メジャーデビューまでの苦難の道のり(Sideline Story)が語られています。
Jay-Zがロックネーション初のアーティストであるコールをあまり積極的にサポートしなかった事は驚きでしたが、それでも自分の力でアルバムリリースを成し遂げるという彼の力強さが現れた一曲、アルバムになっています。
しかしJay-Zがリリースの条件として、提示した「ラジオでかけれるキャッチーなやつ」という名目で作られた16曲目の ” Work Out “ではナズをがっかりさせてしまうコールでした。彼の良さである ”リアル”で正直な姿勢とは真逆の曲を「ラジオでかけられるから」という理由で作らなきゃならなかったんですね。
こう見るとJay-Zが悪い人みたいになってしまいますが、彼は経営者ですので、ビジネス的な面で色々あったんでしょうね。リリックの中で、バスケの用語が多用されていることにも注目です。


[Verse 1:]
I put my heart and soul in this game, I’m feelin’ drained
俺はこのラップゲームに魂を捧げてんだ、でも疲れちまったみたいで

Unappreciated, unalleviated
この世界は認められないし、容赦ないんだ

Tired of comin’ up short, fuck abbreviated
目標に届かないってのに飽き飽きしちまってる、だからって目標の省略なんてクソだね
(皮肉です、彼の名前も本名(Jermaine Cole)の省略です)

Want my whole name spelled out, my own pain spilled out
俺の名前を書くときはフルネームで頼むよ、この心の痛みが溢れだすんだ

No pain, no gain, I blow brains, Cobain
痛みなくして得るものはないんだって、俺は頭使ってんだ、カートコバーンみたいにな

Throw flames, Liu Kang, the coach ain’t help out, so I call my own shots
Liu Kangみたいに火を放つんだ、コーチは助けてくれないんだ、自分でやるしかないってこと
(Liu Kangはモータルコンバットのキャラクター。彼のメンターであるJay-Zはあまりコールのキャリアを助けてくれなかったようです。)

I’m David Blaine, I’m breakin’ out of my own box, you stay the same
俺はDavid Blaineだよ、自分の閉じこもってる箱を壊すんだ、君がその中に留まってるとこをね
(David Blaineは箱から抜け出すマジックを披露することで有名なマジシャン)

But homie if you change, may you change for the better
でもさホーミー、もし変われるなら、きっと変わった方がいいんだよ
(2pacのI ain’t mad at cha のサンプリング)

Back when Martin King had a thing for Coretta
キング牧師が妻のコレッタといた時のこと考えるとさ

Wonder if she seen all the dreams he was dreamin’
彼女は彼の夢見てたこと全部見えてたのかなって疑問に思うよ

Did she have a clue of all the schemes he was schemin’
彼が考えてたこととか全部彼女がわかってたから

Still loved him just enough to put up with the cheatin’
キングが浮気しててもそれに耐えて好きでい続けれたんだもんな
(キング牧師は妻のコレッタに対して浮気をしたと言われています。しかしコレッタはそれにも関わらず彼を愛し続けます)

Months go by and only see him for a weekend
月日が経つにつれ、週に一度しか会えなくなったり

I say a prayer, hope my girl ain’t leavin’
神に祈るよ、彼女に離れて欲しくないんだ
(コールもツアーや製作で忙しくなるにつれ、会える頻度は少なくなっていきます。またこの時期にリアーナとのセックステープの疑惑も持ち上がった彼はそのことを言及しているのかもしれません。自身とキング牧師を対比させています)

We all got angels, we all got demons
そうやって売れていくと、天使も悪魔もついてくるんだ

As you fall through the club
クラブの中を抜けてくと

Bad bitches down to do all the above
悪いビッチたちがあちらこちらだよ

Money comes fast so bein’ hungry don’t last
金を儲けるとハングリーさってのは続かないんだ

Till you look in the mirror and you saw who you was
鏡をみて、我に返って自分が何者でもないって気づくまではね (sawとwasの言葉遊び)

Cole World, it couldn’t be more clearer
コールワールド、これ以上明確なのはないぜ

The time is now, couldn’t be more herer
時は来たんだ、今以外のタイミングは考えられねえ

My reign gonna last like 3-4 eras
俺の時代は3、4世代は続くだろうな

Say hello to the real, I can be your hero
”リアル”な俺に挨拶しな、お前のヒーローになってやるよ

[Hook:]
Hey, I’mma put us all on the map
ヘイ、俺がこの街を有名にしたんだ
(コールの出身ファイエットヴィル)

Gone and I ain’t lookin’ back
それでNYに来たんだ、もう振り返らないぜ

I know they gone feel it like they tank on E
地元の奴らは、ガソリンのメーターがEの時みたいな感じだろうね
(Emptyの頭文字です。empty-fullと書かれているメーターのFullとFeelをかけています)

I promise baby, you can bet the bank on me
約束するよベイビー、俺に銀行丸ごと賭けちまってもいいさ

Cause can’t nobody tell me what I ain’t gonna be no more
だって誰も俺に「君はこれ以上ビッグになれないよ」なんて言えないだろ

You thinking I’mma fall, don’t be so sure
お前は俺の人気は落ちるって思ってるかもしれないけど

I wish somebody made guidelines
俺は誰かにガイドラインを作って欲しかったね

On how to get up off the sidelines
どうやってサイドラインを抜け出すのか書いてあるやつをね
(コールはJay-Zのようなビッグなメンターがいるにも関わらず、メジャーアルバムをリリースできない日々が続きます。ミックステープ時代(サイドライン)を抜け出し、メジャーアルバム(メインロード)へたどり着く道のりは厳しいものだった。ということです)

[Verse 2:]
Up in 1st class, laugh even though it’s not funny
それで1stクラスに昇格だ、面白くなくても笑っちまうよ

See a white man wonder how the fuck I got money
白人たちは俺をみて「どうやってあんな金を稼いでんだ」って不思議がってんだ

While he sit at coach, hate to see me walk past ‘im
エコノミーから俺をみて、悔しくて見たくないって感じでな

Young black pants sag, headphones blastin’
黒人の若者が腰パンで、ヘッドホンからは音漏れしてんだ

Know what he askin’, “how did he manage?”
それでその白人「彼はどうやって稼いでるんだ」って聞いてんだよ

“With all the cards against him, he used them to his advantage!”
”条件は最悪だっていうのに、全部ひっくり返しちまったんだ!”
(黒人の貧しい生まれにも関わらず、大学まで進学し、環境を跳ね返したこと)

Slang we be speakin’ probably soundin’ like Spanish
俺たち黒人のスラングは多分スペイン語みたいに聞こえるだろうけど

Then I fuck they heads up when a nigga show manners
そんな黒人がマナーを見せると白人の奴ら顔をあげて驚くんだ、クソ

Some New York niggas thought it was funny callin’ us ‘Bama
ニューヨークの奴らは俺たち南の出身のやつを”Bama”って言ってからかうんだ

Laughin’ at the grammar cause they didn’t understand us
文法とかに笑うんだよ、理解できねえからな

Must’ve thought we slow, but little do they know
ゆっくり喋ればよかったな、そしたらもうちょっとはわかっただろ

I came up in here to take advantage of that shit y’all take for granted
俺はNYにみんなが当たり前だと思ってるものを得に来たんだ
(nyに住んでいる人には、そこに田舎では得られない機会がたくさんあることに気づいていないということ)

Opportunity that I would kill for
俺が成し遂げるチャンスってやつをな

Lookin’ at rappers like “what the fuck you got a deal for?!”
ラッパーたちを見れば、「クソどうやって契約をゲットしやがったんだ」ってな

When I was assed out with my funds low
金も何も持ってなかった頃に

It’s nice to know I had the whole world at my front door
すぐ目の前のドアが世界中に繋がってるってことを知れてよかったよ
(NYは世界中全てに繋がっている場所ということ)

[Hook:]
Hey, I’mma put us all on the map
ヘイ、俺がこの街を有名にしたんだ

Gone and I ain’t lookin’ back
それでNYに来たんだ、もう振り返らないぜ

I know they gone feel it like they tank on E
地元の奴らは、ガソリンのメーターがEの時みたいな感じだろうね

I promise baby, you can bet the bank on me
約束するよベイビー、俺に銀行丸ごと賭けちまってもいいさ

Cause can’t nobody tell me what I ain’t gonna be no more
だって誰も俺に「君はこれ以上ビッグになれないよ」なんて言えないだろ

You thinking I’mma fall, don’t be so sure
お前は俺の人気は落ちるって思ってかもしれないけど

I wish somebody made guidelines
俺は誰かにガイドラインを作って欲しかったね

On how to get up off the sidelines
どうやってサイドラインを抜け出すのか書いてあるやつをね

[Verse 3:]
I made it to the rack, even though they tried to box me out
成功にこぎつけたんだ、あいつらは邪魔しようとしたけどな
(rackはjay-zのレーベル “Roc”nationとかけていて、box me outというのはバスケのディフェンス時に、体を使ってボールを取るのを邪魔するテクニックです)

I got the key to the game, they tried to lock me out
ラップゲームの土俵に入るキーを得たんだ、締め出そうとしてきたけどな

But what they don’t understand is this is all plan
でもあいつらはそれも俺の計画だってのに気づいてないんだ

It’s a bigger picture and you can’t photoshop me out
もっと大きいスケールで考えてるんだよ、俺はフォトショップでは編集されないぞ

Some nigga ask me why Jay never shout me out
仲間たちは俺に「何でjay-zはお前をもっと売り出さないんだ」って聞いてくる

Like I’m supposed to give a fuck
まるでそれに俺が頼ってるみたいにな

Don’t you know that I be out in France
俺がフランスにツアーで行ってるとき

Where the fans throw they hands like Pacquiao
パッキャオみたいにファンが手を振りかざしてたのを知らないのか?

Not cause my looks, cause my hooks could knock Rocky out
俺は見た目で売ってるタイプじゃねえしな、だって俺のフックはロッキーもKOできるんだ
(ラップのサビである”フック”と、ボクシングのフックをかけています)

And my lines is designed from the heart
俺のリリックはこの心から形づくられてるんだ

Young Simba been a lion from the start
ヤングシンバは成長しづけて、ライオンになったんだよ

Dumb nigga’s, y’all been lyin from the start
アホなラッパーたちはずっと嘘ばっかついてやがるけどな
(生活を偽ったり、事実じゃないリリックを書くタイプのラッパーのこと)

My life’s like a movie, truly
俺の人生は映画みたいなんだ、マジでだよ

And these niggas is dyin’ for the part
でもその一方で黒人たちは死にかけてんだよ

But, you’ll never play me like LeBron vs. Jordan
でもさ、レブロンvsジョーダンみたいに俺を他のやつと比較することはできないんだ
(レブロンとジョーダンはどちらもレジェンドですが、時代の異なるプレイヤーのため、対戦することはできません。2pacやjay-zといったレジェンドと自分は比較できないということですね)

Twenty years, wonder who they gone say was more important
20年たったら、今度はどっちの引退が重要な出来事だったか言うやつがいるのかもな

Both changed the game, came through and made a lane
二人ともバスケの世界を変えたんだ、彼らがやったことが、その世界の道筋になったんだ

Who’s to say that who’s greater, all we know, they ain’t the same
誰がどっちが偉大かなんて言うけど、みんな知ってるさ、”一緒じゃないんだ”

[Hook:]
Hey, I’mma put us all on the map
ヘイ、俺がこの街を有名にしたんだ

Gone and I ain’t lookin’ back
それでNYに来たんだ、もう振り返らないぜ

I know they gone feel it like they tank on E
地元の奴らは、ガソリンのメーターがEの時みたいな感じだろうね

I promise baby, you can bet the bank on me
約束するよベイビー、俺に銀行丸ごと賭けちまってもいいさ

Cause can’t nobody tell me what I ain’t gonna be no more
だって誰も俺に「君はこれ以上ビッグになれないよ」なんて言えないだろ

You thinking I’mma fall, don’t be so sure
お前は俺の人気は落ちるって思ってかもしれないけど

I wish somebody made guidelines
俺は誰かにガイドラインを作って欲しかったね

On how to get up off the sidelines
どうやってサイドラインを抜け出すのか書いてあるやつをね


リリックの中で「映画みたいな人生」とコールは語っていましたが、まさにその通りだと思います。しかも彼の良いところはそれが”特別な環境で恵まれていたから”などではなく、地道に努力して成功していることだと思います。まさにヒップホップのマインドを体現しているんじゃないでしょうか。
ファイエットヴィルの貧乏な少年は必死に勉強し、大学に入学し、nyで必死に夢を追いかけます(jay-zに自分のミックステープを渡すためにスタジオの出待ちをしていたことでも有名)。こうしてメジャーアルバムをリリースするんですね。彼の生き方は「頑張ろう」と思わせてくれる力があって、リリックにもある通り、多くの人の「ヒーロー」のような存在になっていると思います。

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